アベノマスク、マスクブラ、ユニクロマスクの次は“69マスク”だ。新型コロナウイルスの第2波到来が現実味を帯びる中、昨年3月に死去したミュージシャン内田裕也さん(享年79)をモチーフにしたマスクが販売開始され、話題になっている。生前の裕也さんが直筆した「Rock’n Roll!」の文字が施された“ロック”なマスクだが、意外な懸念もあって――。
新型コロナ対策では、さまざまなマスクが登場している。安倍晋三首相肝いりのアベノマスクは“不良品問題”が発生するなど、世間の反感を買ったのは記憶に新しい。
また、先の東京・北区都議補選では、“ゆづか姫”こと新藤加菜氏(27)が、このアベノマスクをブラジャーにした画像のポスターを掲示し物議を醸した。“正統派”では、ユニクロのエアリズムマスクが品薄状態が続いている。
コロナ禍でマスク市場が活況を見せている中、ロックな男が参戦! 昨年3月に肺炎のため死去した裕也さんの事務所がマスクの販売を始めたのだ。
裕也さんの事務所関係者は「このコロナ禍のなか、裕也さんが生きていたら、どうするだろうと考えました」。一時の品切れ状態は改善したものの「今後どれくらい必要になるか分からない」から需要は見込まれるだろうと、マスクの販売に着手した。
ただ、フツーに作っては荒ぶるミュージシャンの魂も納得しないだろう。生前、裕也さんが直筆した「Rock’n Roll!」の文字をマスクに施し、唯一無二の一品に仕上げた。人によっては「恥ずかしい…」と感じるかもしれないが、むしろこのマスクを見て「プッと笑って、元気を出してほしい」という。
マスクは白と黒1枚ずつ1セットで1690円。もちろん“いいロック”価格だ。
抗菌の布製で「手洗いで30回繰り返し使えます。69回だったらよかったんですけど(苦笑)」。
一方、懸念もなくはない。このマスクは裕也さんの事務所への注文で購入できるが、マスクが手元に届いてから代金を支払う料金後納にしているのだ。裕也さんファンからは「未払いの被害に遭うのでは!?」と心配されている。
これに対して前出の関係者は「性善説に基づいています。踏み倒す人はいないだろうと」と笑い飛ばす。今のところきちんと支払われているという。
このマスクは裕也さんと親交があった店舗でも販売されている。そのうちの一つが、神奈川県川崎市の居酒屋「祭宴」。故人と20年ほど付き合いがあった店主・古藤聡さんは「地方の方から『買いたいので送ってくれませんか?』と申し込みがあり、送りました」と反響があるという。
希代のミュージシャンのロック魂が注入されたマスクなら、疫病も退散するかもしれない。