〝神様超え〟は本拠地で決めた 首位独走中の巨人が11日のヤクルト戦(東京ドーム)に2―1で逆転勝ちし、1分けを挟み5連勝。貯金は今季最多の21となり、原辰徳監督(62)はV9時代の名将・川上哲治氏を抜き球団史上最多となる監督通算1067勝目を挙げた。

 指揮官のメモリアル勝利がかかる一戦で2年目の戸郷が7回1失点と好投した。初回、山田哲に左翼ポール直撃の8号ソロを被弾したが、その後は粘りの投球で追加点を許さなかった。前回(4日)の阪神戦で自己ワーストとなる6回途中5失点KO。信頼回復に向け背番号13は「まずは回の先頭を抑えにいくこと、無駄な四球を出さない。強気な投球。そして、長いイニングを投げられるように頑張ります」と意気込んでいたが、それを体現した。

 G打線も苦しみながらも発奮。4回まで2安打に抑えられていたスアレスから5回無死一塁で吉川尚が右翼線に同点の適時二塁打。ようやく援護点をもたらした。そして8回、川上氏と並ぶ「1066勝目」を決めた試合で自身初の3連発を放っていた主将・坂本が今度は値千金、勝ち越しの15号ソロ。恩師に2度目の〝記念星〟までプレゼントした。

 試合後、原監督を祝うセレモニーが行われ、元巨人監督の王貞治氏、メジャーの名将、ジョー・トーリ氏らの祝福メッセージが披露された。3度の日本一、8度のリーグ優勝を決めている原監督は「燦然(さんぜん)と輝く神様である川上監督を1つでも超えられたのは信じられない気持ちです」と感慨深い表情で話した。だが、悲願の日本一奪回まで気を緩めるつもりはない。