ジャニーズの嵐が18日、米人気歌手ブルーノ・マーズが楽曲提供とプロデュースをしたデジタルシングル「Whenever You Call」をリリースした。全編英語詞のミディアムバラードの今回の楽曲にファンは賛否両論だが、この戦略は男性7人組グループ「BTS」を意識したものだという。

 ブルーノはハワイ出身の歌手で、2018年の米グラミー賞では、最優秀レコード賞など主要部門賞を総ナメにした世界的アーティストだ。ブルーノが嵐の楽曲を聴き、嵐のライブを見て、嵐のために書き下ろしたのが今回の楽曲だ。

 嵐はこの年末で活動休止を決めている。残された時間はあとわずかだが、そのタイミングでリリースされた新曲が全編英語ということで、ファンの中には「英語の曲が増えて、嵐が嵐じゃない感じ」「最後なんだから、日本語で歌って欲しかった」という声もあふれているが…。

 音楽関係者は「配信された楽曲はブルーノ・マーズが指導しただけあって、流暢な英語だし、素晴らしい作品に仕上がっています」と評価する。

 ファンからは〝これじゃない〟といった声が上がっているが、ここにはジャニーズの世界戦略があるという。

「いまのジャニーズはアメリカで活躍しているBTSを異常なまでに意識しています。そこに対抗できるアーティストを作る必要性を痛感している」と同関係者。

 人気、実力面からその役割を担うグループとして嵐に白羽の矢が立ったというのだ。

「確かに今回の作品はいままでの嵐の世界観とはまったく違うものが出来上がっていると思います。だから、ファンが持っている嵐のイメージと乖離してしまうのは仕方がないかもしれません。それに何もこのタイミングで外に向けて勝負しなくてもいいのでは、という見方もありますが、最後の最後まで勝負し続けるというのが嵐なんでしょう」と同関係者。

 もちろん、嵐が最後に敷いた〝世界へのレール〟を後輩グループが駆け抜けるのが、ジャニーズの狙いだろう。

 残された時間はわずかだが、世界を見据えた嵐の挑戦は続く。