ゴルフの男子ツアー年内最終戦「日本シリーズJTカップ」初日(3日、東京よみうりCC=パー70)、池田勇太(34)が2イーグル、4バーディー、2ボギーの64で回り、6アンダーで首位発進した。

「おひさまが出なかった」とホールアウト後の池田が振り返ったように、この日はくもり空が続いて冷え込んだ。「いつもより20ヤードぐらいは飛ばなかったけど、一打一打その状況で考えながら、うまく対応できたと思う」と話したラウンドでは、6番パー5で210ヤードを4番アイアン(I)で2メートルにつけてイーグル。

 さらに7、8番でもチャンスにつけて確実にバーディーを奪う。12、13番で連続ボギーを叩いたものの、14、16番でピタリとつけてバーディー。17番パー5では200ヤードから5Iで3・5メートルに2オンさせ、上りのスライスを決めて2つ目のイーグル。堂々の単独首位での発進となった。

「日本プロ」で初優勝を飾った2009年以来続いている「年間1勝以上」の記録が、このままでは途切れる。コロナ禍で5試合しか開催されていない今年は「ダンロップフェニックス」での8位が最高で、未勝利だ。

 男子ツアー選手会の副会長兼事務局長として、大会の中止が続いていた時期は「試合をどう再開するか、多い日は会議が6本とかあったり。ゴルフ(自分のラウンド)は1週間とか10日に一度とかだった」という。

 再開後も9月の「フジサンケイクラシック」は43位。10月の「日本オープン」は予選落ちと調子は上がらず「日本シリーズも出られないかな、と思っていた」のが「ダンロップフェニックスの最後にバーディーパットを入れて出られたんだと思う」(池田)という。

 シーズンは来年と統合されたことであと1年続くが、「年間1勝以上」の記録を継続させるのは、今大会が最後のチャンス。「思うところがある」とこだわりを持つ記録を途切れさせないために、まずは最高のスタートを切った。