杜の都にニューヒロインが誕生だ。全日本大学女子駅伝(弘進ゴムアスリートパーク仙台発~仙台市役所前着、6区間38・1キロ)が31日に行われ、エース区間の5区で拓殖大のルーキー・不破聖衣来が圧巻の走りを披露した。

 日本学生対抗選手権(インカレ)5000メートル覇者の不破は9位でタスキを受けると、3キロ過ぎに1人を抜き、5キロ付近で5位にまで浮上。さらに、6キロ手前で立命館大の中地こころ(1年)、7キロ過ぎで日体大の栗原泉(2年)を捉えた。終わってみれば、名城大の加世田梨花(現ダイハツ)の区間記録(29分14秒)を大きく上回る28分00秒(速報値)の区間新記録をマーク。順位を3位にまで押し上げ、チームも3位でフィニッシュした。

 テレビ中継を務めたシドニー五輪女子マラソン金メダルの高橋尚子氏が「スターが誕生しましたね」と舌を巻くほどのパフォーマンス。レース後には「目標は29分10秒で(1キロ)3分10秒ペースでの区間新記録と言われていた。9位で(タスキを)受け取って前が見える状態だったので、一人ひとりまずは追っていく形で結果的にこういうタイムが出せた」と振り返った。

 まだ1年生の不破。今後に向けては「まだ始まったばかりなので、ここで満足せずにもっと上を目指して頑張りたい」ときっぱり。3年後のパリ五輪へ、また1人期待の選手が現れた。