巨人・原辰徳監督(63)が11日、神宮球場で行われた「野村克也をしのぶ会」に参列した。

 球界の大先輩の旅立ちに、やはり寂しさは隠しきれなかった。原監督は「自分の中でのお別れはしたつもりではいましたけど、こうやって神宮球場、皆さんの前できちっとお別れができたというのは良かったと思います。ありがたく感じております」としみじみと語った。

 忘れられないやり取りもあった。野村さんが2001年に阪神の監督を辞任した際、原監督は本人に手紙をしたためた。敵将ではあったが、そこでは「帰ってきてください。まだまだ勉強したいことがたくさんあります」と率直な思いをつづると、後日に達筆な筆文字で「君は自分にないものを持っている。それを伸ばして」との内容の返事をもらった。

 そんな原監督も今や球団の監督通算勝利数の1位に立ち、その記録を更新し続けている。それでも指揮官は「存在感はありましたし、勝負に対する厳しさというものはすごいものがありました。僕とは経験もレベルもまったく違う。胸を借りる、戦いをこちらが挑んでいきながら、そこで『アイター』と思うこともあれば、監督として小さなガッツポーズをした時もある。やっぱり胸を借りることができた燦然と輝く先輩です」と故人をしのんでいた。