渡辺えり(66)キムラ緑子(60)コンビによる舞台「有頂天作家」(来年1月15日から京都南座、2月1日から新橋演舞場)の制作発表が15日、都内で行われ、2人が出席した。

同舞台は有頂天シリーズの第4弾。杉村春子さんのために書き下ろされた「恋ぶみ屋一葉」のタイトルを改め、2人ならではの掛け合いを詰め込んだ、女の友情と三角関係を描く作品。20年3~4月の上演の予定で、ゲネプロまで行ったがコロナ禍で延期されていた。

渡辺は「杉村さんの舞台を見て号泣した作品です。その時はおばあさんだと感じていたのですが、自分も今その年齢だと言うことに驚いています」。キムラは「2年前に会見してまして、やっとできるんだという不思議な感覚です。お客さまに楽しんでもらいたいぞと思っています」。

4回ほどゲネプロを行ったが、セリフを忘れている部分も多いという。渡辺は「明治のセリフなので、忘れている部分もありますが思い出すでしょう。でも、ここで転んだなあとか、思い出して。前回のゲネでは羽織がうまく着られず笑いがあったので、今回はきれいに着たい」、キムラも「年を取ったんだと実感しました。いい意味で寝かせるというのはすごい作業で、体の奥底にセリフが入っていて、沸き上がってきた感じで、前回とは違う感覚です」と話した。

コンビでのシリーズが4作目となる。渡辺は「この2年間で舞台を6本やりました。いろんな人とやりましたが、何かにつけ、緑子さんならどうなんだろうと、思い出して。尾上松也さんとの芝居を見て、生き生きと演じていました。陽気に楽しく、成長しているなと思いました。私も成長していると思うので惜しみなく出したい」と話すと、横で聞いていたキムラはうれしさのあまり涙が止まらない。「えりさんはすごい役者よりも、すごい人間。刺激を受け、目指す存在。いつも厳しく、明るく、たくましく。一緒にやらせてもらえるのは貴重な体験だし、人生の大事な時期にいます」と語った。