歌手の杉良太郎がこのほど都内で、新曲「世界の中で/ありがとうの詩」(19日リリース)の発売会見を行った。

 新曲は杉の事務所に贈られてきた詩集がきっかけ。脳性まひとたたかう20代の“声なき詩人”堀江菜穂子さんが書いた「いきていてこそ」だ。ちょうど「新曲を何にしようかなと考えていた」だったという杉は、この詩集に出会い「何か形に残せないかな。歌の詞に変えてみよう」と考えたという。

 堀江さんの詩を原詩として、杉が作詞。弦哲也氏は作曲、渡辺俊幸氏は編曲を担当したが、「初めに聞いたときにちょっと違うかなって思って、実は3回変えてもらった。編曲も4回ほど変えてもらった」というほどのこだわりの作品に仕上がった。

 レコーディングの時には「弦さんも渡辺さんも、何かいつもと違って緊張感あるねって話してました。僕もうまく歌おうとか考えてなくて、まっすぐに歌いたい。受け入れてもらえればいいなあと思って歌った」ことを明かした。
 
 さらにこの詩集を、若い人にも知ってほしいという思いから、EXILEのATSUSHIに「歌になりそうならやってみないか」と楽曲制作も持ち掛けると、「『やってみます』と言ってくれて、僕よりも2か月も早く出来上がっていた。とてもいい曲」と仕上がりに驚いた。

 ATSUSHIとともに楽曲を堀江さんのところに持参すると、「体を動かすことはあまりないと聞かされていたけど、歌を聴いてもらった手を伸ばしたり、喜び方が最高潮な感じがした」と自信を見せた。

 杉は「最近は心に病をもっている人がものすごく多い。ストレスという言葉で解決できなくなってきている。人間はそんなに強くない。支えてくれる人が1人でも2人でもいるかどうか。この歌は堂々と生きてほしいと歌っていますが、いろんな人の支えになる歌になってほしい」と語った。