「タカタイチマニア3」(10日、後楽園)で、新日本プロレスのタイチ(41)がDOUKI(30)を大激闘の末に下した。

 メキシコ遠征中の2010年に出会い、レスラーになる前から面倒を見てきた男との初シングルマッチ。タイチは断崖式のど輪落としを着地され、イタリアンストレッチNо.32で捕獲されるなど、大一番に燃えるDOUKIに苦戦を強いられた。

 さらにDOUKIはタイチを紹介してくれたもう一人の恩人・ミラノコレクションA.T.の必殺技ヴィクトリア・ミラネーゼ(変型岩石落とし固め)まで発射。それでもタイチはデンジャラスバックドロップで反撃に転じていく。

 25分過ぎには再びイタリアンストレッチに捕らえられたが、強引に持ち上げると、のど輪落としからタイチ式ラストライドでマットに叩きつける。これをカウント2で返しブラックメフィストもホルヘ・リベラ・スペシャルで切り返す驚異の粘りを見せたDOUKIを、最後は天翔十字鳳からのブラックメフィストで振り切った。

 28分超の激闘で12年間の思いを受け止めたタイチは「俺からしたら、いつまでもお前は達也(本名)だ。お前、立派だよ、よくここまで来たよ」と単身渡ったメキシコでキャリアをスタートさせ新日本にたどり着いたDOUKIを称えた。「悔しかったもんな。新日本の看板があるからって(新日本のレスラーが)アレナ・メヒコに次から次に出て。お前は誰も知らねえまま10年過ごして。いま、どうだ? 堂々とスーパージュニアに出て、こうやって後楽園のメインに立ってるじゃねえかよ、お前。他の誰よりも、俺からしたら立派だよ。尊敬してるよ、達也」と呼びかけた。

 一方で大健闘の末に敗れたDOUKIは最後までリングに残り四方に礼。万雷の拍手を浴びた。セコンドについていた下田美馬に感謝の言葉を述べると「今日は感傷的にならないようにしようって決めてたんだけど、やっぱり肌を合わせると、いろんなことを思い出す。いろいろ言おうと思ってたんだけど言葉が出てこないよ。改めてタイチさん、ミラノさん、ありがとうございます。純粋に、タイチは強いな。でもさ、このまま涙するだけじゃ終われねえだろ」と特別な感情を明かしていた。