これまでの自分をガラリと変える――。ソフトバンク・東浜巨投手(31)が18日、福岡・筑後市のファーム施設で自主トレを行った。

 今年2度目となるブルペンに入り、立ち投げで30球。「しっかり段階を踏めている。実戦に入ってからボールにどういう成果が出るのか。それが楽しみです」。キャッチボールでは左足の上げ方を試行錯誤。「元々の投げ方はだいぶ力を逃がしているような投げ方だった。今まで投げてきたフォームを一瞬で変えるというのは難しいですが、極端なことをやって自分の体に合わせていく感じ」と説明した。

 変身の意図については「このままだったら調子がいい時は1年は持つが、その次(のシーズン)に体にきてしまうところがあった。そこを長く、毎年毎年1年間回れるように」と覚悟をにじませた。

 ここ3年は完投がなく、不本意なシーズンが続いた。「先発しているからには、恥ずかしく思わないといけないところ。最後の1、2イニングを任せてもらえるパフォーマンスを出さないと(完投は)できない」。このオフは筑後に拠点を置き、自らを追い込んだ。走り込みの成果で尻回りが見た目にも大きくなった。

「僕の場合は1球1球、全力で投げていた。そうなってくると後半の方がどうしても100球超えるくらいで落ちてしまう。全力でいきつつ、8の力で10の力を出せるようなイメージでできたらいいなと思います」。

 完投は完全復活の証しと捉える。歳を重ね、体の変化も理解している。志を持ってモデルチェンジに踏み切る節目のプロ10年目。昨季まで悩まされた右肩の不安も消え、トレーニングにも熱が入る。

 変身の成果を「楽しみ」と表現した東浜。ワクワクしながら球春到来を待つ姿に、周囲の期待感は膨らむ。