〝絶対エース〟と言われた日本テレビの桝太一アナウンサー(40)が、3月末に退社して大学の研究員になることを23日、発表した。「科学を適切に伝える」方法を研究し、〝理系版・池上彰〟のようなキャスターを目指すという。日テレサイドは〝羽鳥慎一トラウマ〟を教訓に、いずれ桝アナの冠番組をスタートさせるとの情報が浮上している。


 桝アナが衝撃報告したのは、自身がメインMCを務める23日放送の「真相報道 バンキシャ!」だった。

 冒頭で桝アナは「私は3月をもって日本テレビを退職し、大学の研究所員に転職することにいたしました」と報告。さらに、16年間に及ぶアナウンサー生活で「自分の中でずっと課題であると感じてきたのは、科学的なことをテレビでもっと分かりやすく的確に伝えることができないか、という部分でした」と打ち明けた。4月からは同志社大学ハリス理化学研究所の助教に転身し「サイエンスコミュニケーションと呼ばれる学問分野に取り組んでまいります」と説明した。

 桝アナといえば、東京大学農学部、同大学院出身で、アサリの研究をしていた経歴を持つ。2006年に同局に入社後、情報番組「DON!」、「ズームイン!!サタデー」などに出演し、11年から21年3月までは朝の情報番組「ZIP!」のメインキャスターを務めた。

 お茶の間の好感度もバツグンで、11年から5年連続で好きな男性アナウンサーランキング1位に選ばれ「殿堂入り」。日本を代表するアナウンサーに成長しただけに、日テレとすれば大きな痛手だが、桝アナは退社後も「バンキシャ!」のメインMC継続を明言。「分かりやすく的確に科学を伝える方法を番組を通して、みなさんと一緒に考えて実践していくことを目指したい」とし、「それがこれからの自分の役割」と言い切った。

「研究者とキャスターの〝二足のわらじ〟を決断した大きな理由は、コロナ禍と聞いています。アナウンサーとして、ただ感染者数の急増などを伝えることが無責任と苦悩し、以前からスタッフなどにもどかしさを口にしていた。きちんと学問として向き合い、科学の知識に自信を持って、コロナ禍という苦境にも自分の言葉で伝えたい気持ちが強くなっていった」(日テレ関係者)

 一部では、桝アナは最終目標として「理系版の池上彰」を目指すとも報じられている。

 これまでの功績を認める上層部は、局アナとして在籍しながら研究員になることも勧めたが、桝アナは退路を断つ形で断った。それでも「バンキシャ!」のキャスター続投だけは、日テレサイドが希望して決まったという。そのウラには、かつて日テレの看板アナだったが11年3月に退社し、現在はフリーで大活躍中の羽鳥慎一アナ(50)をめぐるトラウマがあるとみられている。

「羽鳥はフリーになっても、日テレ時代に進行を務めた『ぐるぐるナインティナイン』には出演し続けているが、いまの〝代名詞〟と言えるのはテレ朝でメインMCを務める冠番組『羽鳥慎一モーニングショー』。残念なことに〝テレ朝の人〟という印象が強くなっている。その二の舞を避けるために、桝アナに『バンキシャ!』を引き続き任せ、いつか『桝太一の――』みたいな冠番組をスタートさせるというビジョンまで話し合っているのでは?と噂になっている」(前同)

 池上氏がニュースを説明するように、桝アナが理系分野を優しく解説する番組が誕生するのか…。選挙特番では相変わらず〝池上無双〟と呼ばれ、高視聴率を獲得している池上氏。日テレではいずれ、〝桝無双〟と言われる番組がスタートするかもしれない。