偉業達成のラファエル・ナダル(35=スペイン)に“ジョコビッチ派”からイチャモンだ。

 テニスの4大大会・全豪オープン最終日(30日)、男子シングルス決勝で世界ランキング5位のナダルが世界2位のダニル・メドベージェフ(25=ロシア)を下し、2009年大会以来2度目の優勝を果たした。

 これで4大大会は通算21勝目。世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(34=セルビア)とロジャー・フェデラー(40=スイス)を上回り、単独最多に躍り出た。偉業中の偉業だが“異論”も飛び出している。

 セルビア紙「アロ!」は、ナダルの快挙に対する疑問の声を報道した。ボスニア・ヘルツェゴビナのテニス選手で、ジョコビッチと仲が良いダミル・ジュムールはインスタグラムで「ジョコビッチがいなければ誰でも優勝できる。ジョコビッチはまだGOAT(史上最高の選手)だ」と投稿。セルビアの人気歌手ミリカ・パブロビッチもSNSで「ノバク・ジョコビッチがいなければ、彼(ナダル)や他の誰かが優勝できる。早くこの閉ざされた全豪オープンを終わらせましょう。神様。ナダルのほっぺを叩いて『おめでとう』と言うことをお許しください」と、素直に喜べない気持ちを表したという。

 また、決勝でナダルに敗れたメドベージェフの地元ロシアの「RT」も「ナダルの優勝にはアスタリスク(注釈)が付く」と報道。「現在の最優秀選手であり、10年間イベントを支配してきた男が何千マイルも離れ、試合をテレビ画面で見ていた可能性が高いことを考えると、信頼性が欠如する」と指摘した。

 ジョコビッチは新型コロナウイルスのワクチン接種をせずに大会に出場しようと試みたが、オーストラリアに入国を拒否され不在だった。当のジョコビッチはSNSでナダルに対し「21度目のグランドスラム制覇、おめでとうございます。大偉業です」などと祝福している。

 良くも悪くも、世界ランク1位の存在感は大きいと言えそうだ。