ベテラン夫婦漫才コンビ「宮川大助・花子」(大助=72、花子=67)が3日、書籍「あわてず、あせらず、あきらめず」の発売記念リモート会見に登場した。

 同書は2019年に多発性骨髄腫と診断された花子と、妻の闘病生活を支える大助が、夫婦で舞台復帰を目指す日々がつづられている。

 大助から「日記みたいに書いたら」と勧められ、当初は握力がゼロだったため無理だと思っていたが、抗がん剤やリハビリの効果もあり執筆を開始。1年半をかけての出版に「まさか、この本がこんな形でできると思わなかった。とてもうれしい。でも、決して遺作ではない。これからの希望を乗せたものです」と笑顔を見せた。多発性骨髄腫は治らないと知り、これからも戦っていく覚悟をタイトルに込めたという。

 昨年12月には地元の奈良・生駒市で2年半ぶりに寄席に出演。NGKの舞台でも再び2人で漫才を披露する姿を見たいところだが、大助は「NGKの定席でやる体力はない。歩いてセンターマイクの前までは行けても、10~15分立って2人で会話するのは不可能だと思う。座談会でのトークショーくらいなら」と話した。

 花子も「退院してリハビリして歩きだして、行けるかなと思ったら、また後退して、繰り返し繰り返し。遠くの夢は見れなくなった。ちょっと先のことを考えるようになった。NGKの漫才という大きな夢は遠くに置いてます」と心中を明かした。

 現在も車いすでの生活を続け、週に1度の抗がん剤治療の影響で急激なのぼせやほてりを伴うホットフラッシュの苦しみはあるというが「お風呂もトイレも一人で行ける。ベッドにも一人で寝れるし、階段で2階にも上がれる」。韓流ドラマを見ながら趣味の手芸を楽しんでいる。

 会見でも元気な声を響かせた花子だが、芸人仲間からの激励も尽きないそうで「(桂)文枝師匠からはよくお電話いただくんですけど、いつも『花子としゃべったら元気出るわ』って言われる。違うやろ!元気ちょうだいよって思う」と〝花子節〟は健在だ。

 そんな花子は「夫婦で良かった。病気で家で1人で寝てたら大変やけど、常に大助君が介護してくれる。おしゃべりもさせてもらってる。夫婦であり漫才師。そこは一番大事。のろけてるんわけやないですよ。これが福山雅治やったらよかったけどな」と大助に感謝の言葉。大助は「ただいま恋愛中です」と目じりを下げ、変わらぬおしどり夫婦ぶりを見せつけていた。