俳優・石原良純が4日放送のテレビ朝日系「ザワつく!金曜日」に出演。今月1日に亡くなった作家で父の石原慎太郎さんの思い出を語った。

 番組の収録は前日3日。まず亡くなった当日、自宅前で報道陣の取材に応じた際のことを振り返り「『俺、捕まった?』って気がしてさ。だってフラッシュがバシャバシャバシャ!って(浴びて)『今日は申し訳ありません』って、なんで俺謝ってんだろう?って思って」と苦笑。「ニュースがね『残された4人のお子さんが』って、お子さんって全部足したら240歳だぜ?」と笑いを誘った。

 また慎太郎さんについては、「昔、『我が、ままに』で『わがまま』」と評したことがあるそうで、これは「いい言葉ではない」と母親から叱責されたという。その上で「僕も調べてみたら、いい言葉じゃなくて、そこに『わがままな人の特性』っていうのが出ててさ、『人から享受されることを喜ぶ』とか『打算的である』とか。そういうのは当てはまらないのね。だからいわゆる、皆さんが思ってるわがままじゃなくて、でも本当に『我がまま』な人だった」と回想した。

 一方、親子間のコミュニケーションについては「子どもとの距離感は、普通の親の持ってる距離感とは全然違う」と明言。例として子どものころ、「遊びに行く」という名目で逗子の海岸に連れていかれたにもかかわらず、子どもをほったらかして、慎太郎さん一人で走り回っていたというエピソードを披露。続けて「でも、自分も気が付いたら、『子供面倒見て来て』って(妻に)言われた時に、ベビーカーに乗せてガーッて走ってたからね、自分で。やってることは一緒なんだよ。子どもと遊んであげたいし、でも自分が限られた時間でリフレッシュもしたいし。そんなとこは似てんのかな?とは思ったりする」と分析した。

 さらに共演者の長嶋一茂にちなんで、長嶋茂雄氏との逸話も公開。石原裕次郎さんと長嶋氏が懇意だったため、長嶋氏は慎太郎さんのことを「お兄さん」と呼んでいたという。しかし、「うちのおやじが昔の人だからおかしくって、茂雄さんに悔しがるわけよ。『あいつのほうがモテる!』。くだらねえな、と思ったけど。当時はうちの親父だって革ジャン着て、スカーフやってオープンカー乗って遊んでるわけじゃん。なのに『絶対、長嶋茂雄のほうがモテる』。(モテ度の)スケールが違うっていうのでひがんでた」。

 その上で「『いい大人が』っていうんじゃなくて、大人じゃないんだよね、どこか」と慎太郎さんの人間性を語った良純。一方で、亡くなった直後の一連の報道には「俺見てたんだよいろいろ。もちろん、『全部マル』みたいな話するじゃない。もうさ~ いいのかよこれで?っていう思いもある」と指摘し「でもまあ面白い人ではあったよ」と締めくくった。