無免許運転を繰り返し道交法違反の罪で15日に懲役10月、執行猶予3年の判決が下った元東京都議の木下富美子被告が、小池百合子東京都知事との強固な関係をにおわせたことが波紋を呼んでいる。

 木下被告は免停中の2021年5月29日から7月2日にかけて計7回の無免許運転をした。また、17年から21年の間に交通違反が12件あったという。判決を受けて、木下被告は「都民の皆さまにこの度の私の不祥事について心よりおわび申し上げます。多くの人の信頼を裏切ることになり、申し訳ございませんでした」と謝罪。控訴はしないことも明言した。

 会見では政界復帰の意思を問われたが、「将来については何も考えられない」と含みを残した。

 また、辞職の引導を渡していた小池氏とその後にやりとりがあったか確認されると、「辞職後も折に触れてご連絡をいただき、アドバイスをいただいております。迷惑だけをかけている私にこのように気遣ってくださることに心より感謝しています」と明かした。

 小池氏のアドバイスとは一体何なのか。今後の身の振り方についてなのか。木下被告は「12月、1月、この間に何度かご助言をいただいた。中身については知事という立場もあり、どこまで話していいのか。今日、聞かれると思っていなかったので、この場で言うのは控えたい」と思わせぶりな態度を取った。

 もっとも、小池氏に近い関係者は「小池氏が何か相談を受けているとは聞いていません」と木下被告の言う“アドバイス”に首をかしげる。「アドバイスがあるとすれば『しっかり罪を償いなさい』ぐらいではないか」と将来の話ではないと推測した。

 都民ファーストの会関係者は「復帰のにおわせをしているのでしょうか。そういうことはせめて執行猶予が終わってからにしてほしいですね」と渋い表情。木下被告の3年後に注目が集まっている。