楽天の「外野手定位置争い」が激化している。昨季は左翼・島内、中堅・辰己、右翼・岡島が中心だったが、今季は日本ハムから昨季盗塁王の西川遥輝(29)、新外国人のホセ・マルモレホス(29=前マリナーズ)が加入。石井監督は様々な布陣を構想中だが、その一つが昨季中堅手としてゴールデングラブ賞に輝いた強肩・辰己涼介(25)の右翼起用だ。本人はポジション争いについてどう考えているのか。

 ――今季は西川の加入で外野手争いが激しさを増している。やはり刺激は受けているか

 辰己 刺激にはなりますね。でも、いろいろなことを吸収して。僕がシーズンでしっかり外野を守りたいと思います。

 ――そのポジションは中堅か? 西川もキャンプでは中堅を守っている

 辰己 負けたくないというか。外野の一つは絶対に僕が守りたいという思いです。

 ――昨季までは中堅中心だったが、石井監督は右翼もあると示唆した

 辰己 センターが一番守りたいです。やっぱりずっとやってきて守りやすいので。でも監督から「ライト守ってくれ」と言われたらやります。与えられたポジションを守りたいとは思います。

 ――右翼守備の準備はしているのか

 辰己 急にやれ、と言われているわけではないので、できます。内野や捕手やれと言われるわけではないので。その辺は大丈夫です。でも…センターでレギュラーで出ます。その気持ちはずっと持っていますので。

 ――昨季中堅手としてゴールデングラブ賞受賞。それだけに中堅は譲れない

 辰己 そうですね。僕が守ります。

 ――中堅で試合に出続けるためには打撃面での向上も課題になるはず。昨季は規定打席に到達したが打率が2割台前半(2割2分5厘)だった

 辰己 打率を上げれば全部おのずと(数字は)上がってくると思う。その辺は打席での野球脳というか考え方を変えていかないといけない。いやらしいバッターになりながらも、自分一人でも点とれるし、ランナー返す打撃もできるし、出塁することもできる、みたいな。そういう高いパフォーマンスをするための(2018年)ドラフト1位だと思うので。そろそろ期待に応えないといけないと思っています。

 ――石井監督は常々「もっと高いところを目指してほしい」と話している。期待の表れだと思うが、自身はどう受け止めている

 辰己 僕はあまり新聞やネットで自分に関することは見ないのでその辺はわかりませんが、今年は特に監督を含め首脳陣とコミュニケーションを取りながらやっていきたいと思っています。ただ、監督から厳しい言葉をいただけるというのは自分にとってはいいことだと感じています。期待してくれているはずなので。それはすごくありがたい。でも、期待されているだけでは意味がない。期待に応えることが僕の役割ですから。今年は成長した姿を結果として出して恩返ししたいと思います。

 ――最後に、今季の数字の目標は

 辰己 出塁率3割5分以上は絶対にクリアしたい。打率もでしょうけど、まずはどんな形でも塁に出る。そこを目標にやっていきたいと思います。