【東スポ音楽館】作曲家・弦哲也氏の愛弟子の演歌歌手・北川裕二が先月リリースしたシングルが「湯涌恋灯り」(作詞・中山実/作曲・弦哲也)だ。弦氏の音楽生活55周年を記念して一昨年リリースされたアルバム「旅のあとさき」に収録されている楽曲をカバーした。
――どんな作品ですか
北川「石川県にある湯涌温泉が舞台で、一緒になれない男女の悲恋を描いています。一夜を共にした時の、女性の動きを男性目線で描いた作品です」
――歌うことになったきっかけは
北川「新曲はコテコテな演歌を歌おうかとディレクターと話していたところ、弦先生が『裕二に歌わせたい曲があるんだよ』っていうことで歌うことになりました。もともと私がアローナイツが歌うようなムード歌謡を気に入っているということを、先生が分かっていたこともあって、“ピッタリの曲”だよと言ってくれたと思います」
――歌の舞台になった湯涌温泉に行ったことは
北川「曲をいただいて、どんな所だろうと調べたのですが、まだ行けてないんです。9軒の宿しかない静かな所だそうですが、いつかファンクラブのバス旅行で行ってみたいですね」
――レコーディングで弦先生からアドバイスは
北川「特になかったんですよね。いつもは怒られたりするんですけど。今回のレコーディングではイントロ部分のギターを、先生がわざわざスタジオで入れ直してくださったのですが、それがとてもうれしかったです」
――弦先生の教えで大事にしていることは
北川「『歌を崩すな』ということですね。曲に慣れてきちゃうと歌を崩しがちになっちゃうことがあるので、修正するために先生の所まで行く時もあります。それと『声を前に出す』ということ。自然におなかから声が出るような感じで歌うように心がけてます」
――カップリング曲の「海を渡った人生」はどんな楽曲ですか
北川「作詞をされた藤本章さんは1972年の22歳の時にアメリカに渡って不動産投資家としてアメリカンドリームを成し遂げた方です。藤本さんが数年前に、自身の半生をつづった本を出版したのですが、歌でも自身のアメリカンドリームを後世に残したいと作詞されたんです。藤本さんは先生ともお知り合いで、先生が作曲して、スケールの大きい曲に仕上がっています。藤本さんとのご縁で6月にはロサンゼルスで公演も行う予定になっています」