日本全国に増え続ける面白い名前のパン屋のプロデューサー・岸本拓也氏が、もし地方の街をプロデュースしたら? 新規開店のために日本を飛び回り、地道な調査を重ねる岸本氏。蓄えた知識を街おこしに生かしてもらおうという連載です。

【青森・十和田市②】

 十和田といえば十和田湖ですよね。実際に行ってみると、自然のエネルギーを感じる場所でした。十和田湖は火山が噴火した後、火口に水がたまり、湖となったカルデラ湖ですが、その中でも特に珍しい二重カルデラ湖といわれています。この湖を訪れた際、個人的には非常に強いパワーを感じました。

 十和田湖は最大水深が326・8メートルもあります。実は日本で3番目の深さなんです。私は十和田湖に行くまで、そんなに深い湖だとは知らなかったのですが、現地に行ってすぐにその深さを感じました。それはきっと、自然のみなぎる力を感じたということなのかもしれません。

 十和田湖は真上から見ると、クルミを半分に割ったような形をしています。これが十和田湖の特徴で、知れば知るほど面白い湖だなと感じました。十和田市をアピールするうえで十和田湖は切っても切り離せない立派な湖です。

 また十和田といえば十和田神社も有名で、多くの観光客が訪れる場所でもあります。同神社は十和田湖の湖畔にあり、近くには乙女の像があります。これは十和田湖国立公園指定15周年を記念して、1953年に建てられたものです。十和田神社周辺を散策すると、豊かな自然の恵みを感じることができました。

 十和田湖は、鮭科の淡水魚である「ヒメマス」が釣れることでも有名です。こういった自然のエネルギーを感じられる場所や地元の特産品、グルメを生かして、レストランと宿泊施設が一体となったオーベルジュをつくるとより一層、観光客を呼び込むことができるのではないでしょうか。

 また今回は行くことができませんでしたが、十和田市にある現代美術館はとても立派で全国的にも有名です。まだまだ観光客を呼び込む要素はたくさんある街だと感じました。