〝最強夫婦〟が世界に名を刻んだ。東京マラソン(6日、東京都庁前~東京駅前)で男子は鈴木健吾(26=富士通)が2時間5分28秒で4位、女子の一山麻緒(24=ワコール)も2時間21分2秒で6位。昨年12月に結婚を発表した2人が日本人トップに食い込んだ。

 起伏の少ない国内屈指の高速コースで各選手が好タイムを狙う中、ともに粘り強い走りを見せた。2人の合計タイムは4時間26分30秒で、ケニア人夫妻の持つギネス記録(4時間27分5秒)を上回り、夫婦での同一大会ギネス記録を更新。2004年アテネ五輪金メダルの野口みずき氏(43)は「夫婦としてのパートナーでもあり、良きライバル。男女の違いはあっても戦っているステージは一緒なので、うまくマッチしているんだなと感じた」と褒めたたえた。

 日本屈指のランナー同士だからこそ、より分かり合うことができる。野口氏は「私の時はどちらかといえば恋愛よりも競技に集中してほしいというような雰囲気だったので、なかなかそういう機会がなかった」と振り返った上で「今は全然違いますし、お互い練習などが苦しくても、心の中に相手がいるというのは強い。いつでも応援してくれる相手というか、より分かり合えるパートナーの存在は大きいと思う」と相乗効果を指摘した。

 まさに夫婦の絆で勝ち取った快挙。鈴木が「お互いを高め合いながらやってきた。個人の目標のために走ったが、その結果(ギネス記録)がついてきてうれしい」と話せば、一山も「2人で一番はうれしい」と満面の笑み。レース後のハグが2人の努力と相性の良さを物語っていた。