トラベルミステリーの第一人者で「十津川警部」シリーズなどで知られる作家西村京太郎(にしむら・きょうたろう)さん(本名・矢島喜八郎=やじま・きはちろう)が3日午後5時5分、肝臓がんのため神奈川県湯河原町の病院で死去した。91歳。葬儀は近親者で行った。後日、お別れの会を開く。喪主は妻瑞枝(みずえ)さん。

◆西村京太郎(にしむら・きょうたろう)本名・矢島喜八郎。1930年(昭5)9月6日、東京都生まれ。旧制中学卒業後、臨時人事委員会(人事院の前身)在職中に執筆活動開始。63年に「歪んだ朝」でオール読物推理小説新人賞、65年に「事件の核心」(後に天使の傷痕と改題)で江戸川乱歩賞受賞。十津川警部は76年「殺しのバンカーショット」で初登場。81年「終着駅殺人事件」で日本推理作家協会賞。94年、鉄道功労者として大臣表彰。01年、神奈川県湯河原町に西村京太郎記念館開館。09年、奈良県十津川村の観光大使に任命。00年に瑞枝さんと結婚。