特攻服もダンスもなし! 埼玉・戸田市長選(20日投開票)が13日告示され、今月4日まで戸田市議だったスーパークレイジー君(35)が電撃出馬し、有権者を驚かせた。夏の参院選を目指すクレイジー君にとっては、負け戦で傷をつけたくないハズだが、譲れない思いがあった。

 昨年1月の戸田市議選で当選しながらも居住実態がなかったとして、議員バッジを失ったクレイジー君は「誰でもやり直せるということを身をもって証明したい」と、参院選にチャレンジするために全国行脚を続けていた。ところが急転、戸田市長選に出馬。それも告示日当日のサプライズで「また目立ちたいのか?」と批判の声も出た。

 市長選は現職の菅原文仁市長が2期目の挑戦を表明。対抗馬が立たずに無投票再選の雲行きだった。ただでさえ投票率が低い戸田市だけに、市政に関心を持ってもらいたいとの一心で活動を続けてきたクレイジー君にとって、歯がゆい状況だった。

「ギリギリまで悩んで、やはり無投票はいけない。市民全員が今の市長がいいとは思っていない。選ぶ権利も大事で、選挙は行われるべき」

 勝ち目はない選挙と分かってはいるが、出るからには“一寸の虫にも五分の魂”がある。

「(現職市長は)戸田ではエベレストみたいなもの。でも戸田の有権者が11万人いて、7万人が選挙に行かずに眠っている票。自分ができるのは、(有権者の)気持ちを高ぶらせて、興味を持たせること。厳しいのは分かっているが、死ぬ気でやっていく」

 クレイジー君といえば特攻服がトレードマークで、子供たちのリクエストに応じてダンスも披露してきたが、今回の選挙ではパフォーマンスの類いは一切封印する。

「選挙をなめるんじゃないといわれるし、都知事選と違ってもう売名目的でない。新聞、テレビで報道されなくてもいい」

 朝から晩までつじ立ち、自転車でのビラ配りなどで愚直に政策と選挙の重要さを訴える考えだ。