スーパークレイジー君(35)が市長選(20日投開票)に敗れた埼玉・戸田市で、“ある異変”が起きている。小中高生の間で、将来なりたい職業に「政治家」が急増しているというのだ。

 クレイジー君は今月4日に市議選前の住居要件を満たしていなかったとして、議員バッジを“剥奪”に。街から追い出されていてもおかしくない事態だったが、再起を期待する声に応える形で、同市を拠点に政治活動の継続を表明。無投票の公算だった市長選にも「有権者に選択の機会を与えたい。居ても立ってもいられなかった」と落選を覚悟の上で立候補していた。

 選挙中、異例の光景となったのは連日、子供たちがクレイジー君に群がり、サイン会状態となったことだ。

 元暴走族のヤンチャ過去があるクレイジー君は子供たちからすれば、マンガやアニメの世界からそのまま飛び出してきたようなキャラ。市長選では特攻服を封印していたものの、この1年間の議員活動で子供への施策を重視し、触れ合ってきたこともあって、認知度はさらに増していた。

 すると“クレイジー君効果”で、子供たちの夢に影響を与えていた。地元市民は「卒業文集や将来なりたい職業で『政治家になりたい』という子が出てきた。クレイジー君が開いた子供向けに市役所の仕組みを学ぶ会への参加や市議会に傍聴したりしたのがきっかけで、政治に興味を持つ子が増えたんです」

 将来なりたい職業ランキングで、小中高の男子の1位は「会社員」。「政治家」は圏外の常連だが、こと戸田市に至っては、クレイジー君の「政治に関心を持ってもらいたい」の訴えが徐々に浸透し、身近な職業になってきたともいえる。

 子供からの人気ぶりにクレイジー君は「子供たちに投票権があったなら、市長選でも圧勝していた」と笑うが、将来、多くの政治家を輩出する市となるかもしれない。