破竹の勢いは止まらない。ソフトバンクが3月31日のロッテ戦(ZOZOマリン)に3―1で快勝。藤本博史監督(58)が新人監督タイ記録の開幕6連勝を飾った。

 主軸・栗原が前日の守備で左ヒザを痛めて登録抹消。前十字じん帯断裂、左外側半月板損傷の疑いと診断され長期離脱が余儀なくされた。この日に限っていえば勝ちパターンの森、モイネロは連投中とあって温存する方針だった。そんな厳しい状況下でチームに白星をもたらしたヒーローは、プロ初先発の育成出身左腕・大関友久(24)だ。

 直球の最速は150キロをマーク。7回途中までを6安打無四球1失点に抑える堂々の投球でプロ初白星を手にした。クレバーさも備える左腕は「初めてのことが多く緊張しましたが、しっかりコントロールしてゲームにつなげることができたかなと思います」とホッとした表情を浮かべた。

 米・Apple社の共同創業者の一人で、iPhoneの生みの親としても知られる故スティーブ・ジョブズ氏の言葉を深く心に刻んでいる。同氏の「直感に従う勇気」が座右の銘。仙台大学時代に「偉人の人生を振り返ること」に関心を持ち、ジョブズ氏のスタンフォード大学での〝伝説のスピーチ〟を動画で見て心を打たれたという。もちろん、今も考え方として大切にしている。

 研究熱心さでも知られる。その上で過去には「考えるよりも感じるほうを大事にしようと思った」とも口にしている。多くの情報を得る中でも心の声や直感を重視し、育成選手からスタートして3年目での初勝利をつかみ取った。