やっぱり強かった！ ＷＢＡスーパー＆ＩＢＦ世界ミドル級の王座統一戦が９日、さいたまスーパーアリーナで行われ、ＩＢＦ世界ミドル級王者ゲンナジー・ゴロフキン（４０＝カザフスタン）がＷＢＡ世界ミドル級スーパー王者・村田諒太（３６＝帝拳）を９Ｒ（ラウンド）ＴＫＯで撃破し、新統一王者となった。
日本ボクシング史上最大の一戦と言われたイベント。愛称「ＧＧＧ（トリプルＧ）」刺しゅう入りガウンを着てメインに登場したゴロフキンは序盤、村田のボディーに苦しめられた。左ジャブでペースをつかもうとするが、弱点と言われるボディーを連発され、明らかに嫌がるしぐさをみせた。しかし、中盤から息を吹き返した。強烈なジャブを放ち、高速のコンビネーションで村田を追い詰める。６Ｒではパンチで村田のマウスピースを飛ばすなど、完全に主導権を握った。そして９Ｒ、頭を動かして防戦一方の村田に対し、右フックを放つ。最後は村田陣営からタオルが投げ込まれた。
試合後、村田と抱き合ったゴロフキンは「すべての皆様に感謝したい」と話し、「村田選手へ拍手をお願いします」と観客にアピール。さらに「戦えたことを誇りに思う」と笑顔で語った。通算４２勝（３７ＫＯ）１敗１分としたゴロフキンは、対戦が浮上している４階級制覇王者〝カネロ〟ことサウル・アルバレス（メキシコ）との３戦目に向け、新たな扉を開けた。
一方、長らくゴロフキン戦を熱望してきた村田はＷＢＡ王座陥落。しかし、序盤に果敢に攻め込んだ姿勢は観客から称賛され、敗れた後のリングでも大きな拍手を浴びた。マイクを握った村田は「想像していたものと違った。自分が思っていたよりもすごいなって思う点と、これはいけたなって思う点があって。でもパンチの角度とか総合力で上をいかれている」と脱帽した。それでも「見てくださった皆さんが楽しんだかどうかが大事。２人が無事にリングから降りられると思うので神様に感謝したい」と話し、最後は「２年４か月、試合をしていなくて、ここでゴロフキン選手とできる、こんなラッキーな男はいないと思いますし、デビューの時から追いかけているチャンピオンと試合できたことをすごくうれしく思います」と万感の思いを口にした。
２０１２年ロンドン五輪金メダルを獲得した日本の至宝。今後の去就にも注目が集まる。
