NHK党の立花孝志党首(54)は29日、幕張メッセで開かれた「ニコニコ超会議2022」のイベント内で、人気ニコ生主(ニコニコ生放送の配信者)で、東京・立川市議の「横山緑」こと久保田学氏(44)を参院選比例代表での擁立を発表した。次々と奇抜作戦を練る中、選挙戦略の見直しも示唆した。

 久保田氏は13年前からニコ生で黒覆面をかぶっての「暗黒放送」を配信し、熱狂的なリスナーを持つ古参生主で知られる。29日から始まったニコニコ超会議でも久保田氏を目当てに長蛇の列ができた。

 当初、久保田氏は6月の市議選で改選出馬する予定だったが、立花氏は「横山君の知名度からすると全国の選挙に出したほうが応援してくれている人がいる。立川で立候補させるよりも参院選に出て、皆さんの審判を仰ぐ」と地方選よりも国政の方が生きると判断。選挙時は本名の「久保田学」ではなく、ネット上で知名度がある「横山緑」の通称で申請するという。

 さらにNHK党は比例代表にホリエモンこと堀江貴文氏の秘書である斉藤健一郎氏を特定枠に置き、議席を獲得した場合は優先的に当選する措置を敷こうとしていたが、立花氏は特定枠の使用についても見送りを検討しているという。

 芸能界の裏側を暴露している〝ガーシー〟こと東谷義和氏を政見放送で起用することが決定し、前日にはれいわ新選組の山本太郎代表と同姓同名の山本太郎氏の擁立も発表した。久保田氏の人気ぶりも目の当たりにした立花氏は「順当なら1議席、ガーシーの絡み方次第では2議席もいける。特定枠を外し、堀江さんが『斉藤健一郎をお願いします』と時間をつくってくれた方が全体として盛り上がるのではないか」と自由競争の方が候補者間でも選挙戦で熱が入るとの計算だ。