海を渡れるか。ノアのジュニア戦士のみによる大会「N Innovation」(29日、東京・両国国技館)でGHCジュニアタッグ王座戦が行われ、挑戦者の小川良成(55)、クリス・リッジウェイ(28)組が巧みな試合運びで王者の小峠篤司(36)、YO―HEY(34)組を撃破し、王座奪取に成功した。

 試合は一進一退の攻防が続くが、挑戦者組が王者組をインサイドワークでリードし、徐々にペースをつかむ。王者組を分断し、徐々に小峠に攻撃を集中させた。終盤、リッジウェイがアンクルロックをきめつつ、レフェリーのブラインドを突いて左足のシューズを脱がす行為に出る。

 この後アンクルロックは一度解けたものの、走ろうとした小峠の左足が滑ってひざを付いたところで、リッジウェイが顔面へのヒザ蹴り。ここから一気呵成に攻め込み、最後はアンクルホールドから変型マフラーホールドに移行してギブアップを奪った。

 試合後、小川は「(リッジウェイとのコンビは)思った以上のことができる。ある意味、楽だった。俺がやらなくても全部やってくれるし。クリスもずっと来れるだろうし、どんどん防衛していきたい」。

 相棒から「(祖国の)イギリスでも防衛戦をしたい。歴史を塗り替えよう」とまさかの海外での防衛戦を持ちかけられると「そういう試合をするのもいいな」と意欲的に話した。海外防衛戦実現のためにも、長期政権を築きたいところだ。