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「鎌倉殿の13人」義時がそれでも頼朝に尽くす理由は?小栗旬「正直結構しんどい」

第17回「助命と宿命」より源頼朝(大泉洋)と北条義時(小栗旬)
第17回「助命と宿命」より源頼朝(大泉洋)と北条義時(小栗旬) - (C)NHK

 三谷幸喜脚本の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK総合ほかで放送中)で、鎌倉幕府初代将軍・源頼朝(大泉洋)の右腕として、頼朝と坂東武者たちの架け橋となる主人公・北条義時を演じる小栗旬。以前行われた会見でも「とにかく周囲に振り回される人物」と話していた小栗だが、頼朝からの無理難題は回を重ねるごとに増している。頼朝が上総広常(佐藤浩市)を亡き者にした4月17日放送・第15回「足固めの儀式」では「#頼朝嫌い」のハッシュタグがTwitterトレンド入りしていたが、視聴者からすれば「なぜそこまで頼朝に」と疑問を抱くような献身ぶりの義時。小栗はどのような思いで義時を演じているのだろうか。

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 第15回「足固めの儀式」では、鎌倉の御家人たちが、頼朝への謀反を企てるなか、知恵を絞ってうまく取りなした上総広常を危険分子として暗殺する命を出すなど、日を追うごとに非情になっていく頼朝。続く第16回「伝説の幕開け」、第17回の「助命と宿命」でもその非情さは増すばかりで、義時にも忠誠を試すかのような辛い任務を課していく。

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 「非常に難しい感情ですよね」と、義時が頼朝に抱く思いについて感想を述べる小栗。「まず義時が頼朝に従う大きな理由は、兄・宗時(片岡愛之助)が抱いてきた坂東武者の世を作って、その上に北条がいたいという思いを遂げるため」と続け、「でもそこから10年、20年が経ち、宗時の思いを遂げることだけが頼朝に従うモチベーションじゃないと思うんです。そこをどう表現するかは、とても難しいんですよね」と苦笑い。

 続けて小栗は「もちろん、頼朝と過ごしてきた時間のなかで納得のいかないこともあったし、なぜその選択をしなければいけないのかという葛藤もあったとは思うんです。でもその向こう側には、いつになっても誰のことも信用できない頼朝という人を支えられるのは自分しかいないと感じていたのかなと。もし自分が裏切ったら、すべてが崩れてしまうんじゃないかという思いで、最後までついていった……。そういう頼朝への気持ちが伝わればいいなと思って、義時という人物を演じてきたんですけれどね」と解釈を述べていた。

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 そんな義時と自身の共通点については「なかなかこの時代の人物を今の自分に投影することは難しいですよね」と笑いつつも、「でも900年も前の状況のなかでどういう感覚だったのかというのは、今の自分の中から絞り出さなければいけないので、間違いなく自分のパーソナルな部分を含めた義時になっているとは思うんです」と義時には少なからず小栗自身が染み込んでいると話す。

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 今後、さらに義時はシビアな決断を頼朝から強いられることになる。小栗は「正直に言うと結構しんどいですね」と胸の内を明かし、「最初のころは明るく楽しい北条家の描写が多く、自分自身(のキャラ)を愛することもできたのですが、だんだん誰かを陥れなければいけない立場になっていくにつれ、気持ちは落ちていきます」とシーンに引っ張られてしまうこともあるという。しかし、こうした義時の変化こそが、本作の見どころの一つ。小栗は「だんだんと迷いが減っていく義時の姿を見届けて欲しいです」と語っていた。(磯部正和)

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