右股関節の張りで前日の試合に先発を外れたエンゼルスの大谷翔平投手(27)は3日(日本時間4日)、敵地ボストンで行われたレッドソックス戦に「3番・DH」でスタメン復帰し、9回二死無走者で澤村拓一投手(34)とMLBで初対戦して空振りの三振に倒れた。

 エンゼルスが4点差を追う最終回。相手の4番手としてマウンドに上がった澤村は、ウォードとトラウトをともに遊ゴロに打ち取り、大谷が打席に入った。初球は96マイル(約154キロ)の低め速球でボール。2球目は97マイル(約156キロ)の外角高め速球が外れて2ボールとなった。

 3球目は97マイルの外角速球を見逃してストライク。4球目は98マイル(約158キロ)の低め速球を打ちファール。自打球を足に当てた大谷は顔を歪めた。そしてカウント2―2からの5球目。92マイル(約148キロ)の低めスプリットにバットが空を切りゲームセット。大谷は悔しそうな表情でフーと息を吐いてベンチに引き上げた。

 初対決は澤村に軍配が上がったが、4回第2打席の安打は技ありの一本だった。マウンドは相手先発の右腕ワカ。カウント1―2と追い込まれての4球目、85マイル(約137キロ)の外角低めチェンジアップに両腕をいっぱいに伸ばしてバットを出した。先端で捉えた打球は中堅手の右手前に落ちる中前打となった。

 試合をテレビ中継したバリー・スポーツ・ウエストで解説を務めた元ロッテ監督のボビー・バレンタイン氏は、「まるでイチローのような卓越したバットコントロール。なんて素晴らしいアスリートだ」と感嘆の声をあげていた。

 1回二死無走者の第1打席は初球の94マイル(約151キロ)の速球を打球速度111・5マイル(約179キロ)で打ち返し、痛烈なライナーが二塁ベースの右に飛んだが、シフトを引いた遊撃手に捕球され遊直。6回二死二塁の第3打席は、相手二番手の左腕ディークマンに対してカウント1―2から4球目の速球を打ち上げて左飛だった。

 ところで大谷の次回登板だが、マドン監督は試合前の会見で5日(日本時間6日)に行われるレッドソックス3連戦の3試合目を予定している明かした。しかし、天候次第では先送りの可能性もあるようだ。