サプライズ選出はあるのか――。11月に開幕するカタールW杯に7大会連続7回目の出場を決めた森保ジャパンで話題なのは本大会の最終登録メンバーだ。歴代の代表指揮官は驚きの選手選考で世間をざわつかせてきたが、カタール大会に向けて森保一監督(53)がどんなメンバーを選ぶのか。元日本代表で森保監督とチームメートだった武田修宏氏(54)は、まさかのサプライズ候補を〝激推し〟した。

 1998年フランスW杯ではエースのカズことFW三浦知良が落選。2002年日韓大会では10番のMF中村俊輔が外れる中、FW中山雅史がメンバー入りし、06年ドイツではFW巻誠一郎がサプライズ選出された。10年南アフリカは同シーズンに負傷で1試合も出場していなかったGK川口能活、14年ブラジルでは2年以上も呼ばれていなかったFW大久保嘉人がW杯メンバー入りし、世間を驚かせた。

 カタールW杯に向けて国際サッカー連盟(FIFA)は世界的に猛威を振るう新型コロナウイルスの感染もあってW杯メンバーを23人から26人にする案を検討中のため、その動向もかかわってくる中、森保監督は新たな選手招集について「しっかり考えていかないといけないし、本当に難しい。まだ最終的な結論は出ていない」と選手選考に悩みを深めている。

 こうした状況で、武田氏はサプライズ選出について「W杯は4年に1度、世界が注目する舞台でしょ。なので豊富な経験を持っている選手が欠かせないと思うよ。サプライズがあるすれば、若い選手よりもベテラン勢になるんじゃないかな。最近は呼ばれていないけど、招集してほしいのは岡崎(慎司)だね」とスペイン2部カルタヘナでプレーする元日本代表ストライカーを推した。

 武田氏は「日本が決勝トーナメントに勝ち上がるには初戦のドイツとどう戦うか。それがすべてだからね。ここで勝ち点を失うようならばベスト16なんてムリ。最悪でも引き分けなければいけない。岡崎はドイツで長くプレーしていたし、彼のような泥臭いタイプが今の日本に必要だよ。試合にも出ているし、ピッチ内外で日本FW陣の強化につながると思う」と理由を説明した。

 W杯アジア最終予選ではゴールが奪えず大苦戦したように、日本はストライカーの強化が最優先事項。FW大迫勇也(神戸)がセンターフォワードを務めるものの、他に「結果を出した」と言えるほどのFWもいない。そこでレスター(イングランド)時代に奇跡のリーグ制覇を果たすなど経験値の高い岡崎が加わることで選手層も厚くなり、戦力アップにつながるというわけだ。

 さらに武田氏は「あとは長谷部(誠=Eフランクフルト)だね。以前も言ったけど、彼の存在はW杯に欠かせないんじゃないかな。ドイツ代表メンバーのクセとかもわかっているし、アンカーとかリベロに置けば、守備力も上がる。チームのまとめ役もできるから長谷部を招集できるかは森保監督がW杯で結果を出せるかの重要なポイントになる」と、前主将の参戦を待望した。

 実際に、森保監督は昨夏の東京五輪を前にオーバーエージ枠での加入を長谷部に要請していたことからも、前キャプテンに注視しているのは間違いない。本人はすでに「代表引退」を宣言したものの、翻意する可能性もある。「岡崎と長谷部が揃えば、大幅なチーム力アップになる」と武田氏が語るように、2人は有力なサプライズ候補といえそうだ。