若き右腕の背信投球を厳しく断罪した。巨人・原辰徳監督(63)が2―13で大敗した6日のヤクルト戦(東京ドーム)後、この日先発して3回途中5失点KOとなった堀田賢慎投手(20)に苦言を呈した。

 序盤から苦しい投球が続いた。初回こそ無失点だったが、1点リードの2回にオスナに左前打、続く浜田に左翼線への二塁打と連打を浴び、左翼手・ウォーカーの送球間に一走・オスナが悠々生還を果たし、あっさり同点を許す。

 なんとか立て直したい右腕だったが、3回には先頭・塩見に中前打、太田に右前打、山田に四球を与え、無死満塁とこの日最大のピンチに…。ここで燕の主砲・村上を迎えると、フルカウントから投じた6球目、149キロの捉えられ、痛恨の満塁弾を浴びた。

 それでも原監督は動かず、いったんは続投を決断。オスナと浜田を打ち取って二死までこぎつけたが、長岡に四球を与えたところで指揮官も我慢の限界を迎え、2番手・平内へとスイッチとなった。

 開幕からここまで4試合に先発したが、プロ初登板初勝利となった3月31日のヤクルト戦(神宮)以降は振るわず。この日で3試合連続5回もたずにKO。試合前には「2試合続けてゲームを作れていないので、先発としての仕事を果たせるように全力で腕を振っていきます」と意気込んでいた堀田も、降板後には「先発としてゲームが作れず悔しいですし、チームに申し訳ない気持ちです」とうなだれるほかなかった。

 原監督も黙ってはいられなかった。「いくら若い投手といってもね、先発投手の重さというものを感じでもらわないといけませんね。やっぱり、連戦中の移動ゲームというのはね、先発投手にかける思いというのは強いところだけどね、(早期交代は)断腸の思いですよ」とバッサリ。

 オープン戦でのアピールに成功して先発ローテを勝ち取ったが、シーズンが進むにつれて疲労が蓄積し、当初見せていた自慢の直球の球威は披露できていない。そんなもどかしい現状に指揮官も我慢ができず、苦言が噴出した。

「コンディションが下がっているようだと話にならない。我々は(調子が)上がってくるという(想定の)中で『じゃあ(ベテランと比べて調子が)五分五分だったら若い選手を使おう』という判断ですからね。コンディションが下がるという点ではね、もう晩年を迎えた選手ではないわけだからね。我々は子供だと思って彼をマウンドに上げているわけじゃないから、そこはあえて厳しく言う必要はあるだろうし、ローテーションを守るというのは厳しい大変な世界なんだということを思わないといけないし、思うような教育を我々もせないかんね」。

 今後は7日に登録を抹消し、二軍で中6日ローテを守る経験を積みながら再調整を行う方針。球威のある直球は首脳陣からの評価も高い右腕なだけに、この日の敗戦を糧にさらなる成長とできるかがカギとなりそうだ。