オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第87回は「オッチー」だ。

 かつて都内の某繁華街に出た妖怪が「オッチー」である。筆者がユーチューブで運営する番組「アトラスラジオ」に投稿が寄せられた。落ち武者の姿をしており、コンビニエンスストア前で、何もせずただ立ち尽くすだけである。

 幽霊の場合、賞味期限があるらしく、数百年たつと少しずつ蒸発していくのか、形が崩れてしまうらしい。となると戦国時代の落ち武者の幽霊は、そろそろ賞味期限切れとなっているのではないだろうか。

 ちなみにこの落ち武者は、当時人気のあった番組「ワンナイR&R」(フジテレビ系)のキャラクター「落武者」からオッチーという愛称がつけられ、周囲に親しまれた。近年、同じ番組で人気が出たガレッジセールのゴリさんが扮するゴリエの人気が再燃している。ちょっとしたら落武者も人気が再び過熱するかもしれない。

 出現ポイントのコンビニで働いていたバイトの全員がその姿を見ており、かなりの存在感があったそうだ。霊感のあるなしにかかわらず、その姿を目視しているらしい。

 ちなみにアトラスラジオへの投稿者の妹がコンビニで働いており、最近ではその姿が確認されていないそうだ。
【山口敏太郎】作家、ライター。著書「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」など200冊あまり。テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。ユーチューブでオカルト番組「アトラスラジオ」放送中。