女優鳳恵弥(41)が10日、東京・築地ブディストホールで行われたシリーズ4作目となる主演舞台「こと~築地寿司物語~」の公開リハーサルに出席し、第2作、第3作に出演していた渡辺裕之さんの死を悼んだ。

渡辺さんは今月3日に66歳で他界。舞台で共演した鳳は「先日、大先輩が亡くなられまして。裕之さんが私の、時としてお父さんだったり、お兄さんだったりとかでやっていただいていて」と振り返り「本当に真面目な先輩で。1番に稽古場に来られますし、誰よりも本(台本)と向き合っていましたし、誰よりも役と真摯(しんし)に向き合っている姿を後輩に見せてくれていて。背中を見て学んだことがたくさんありました」と涙ぐんだ。

渡辺さんの思いも背負いながら4作目となる舞台を全うすることも誓い「裕之さんも愛した築地なので。この先輩方と、稽古の鬼と化している後輩と共に全力で走り抜きたい。『えみちゃん、また出してよ』と言ってもらえる作品にするので、みなさん、裕之さん、見ていてください」と言葉を紡いだ。

舞台は来年創業100周年を迎える築地玉寿司の基礎を築いた、鳳演じる日本初の女性寿司店主、ことの奮闘などを描いた物語。11日から15日まで開催する。鳳は作品について「(これまでも)連日満員御礼で、築地(プディストホール)の記録を作る人気シリーズにさせていただいた」と感謝。4作目は20年公開予定もコロナ禍で約2年間延期。「満を持して4回目が決ましたとなったら、またすごいスピードでチケットも売れて。待望の作品は素晴らしい作品になっています」とPRした。

この日は鳳のほか、IKKAN、ペナルティのヒデ、ウーマンラッシュアワーの中川パラダイス、武田知大、築地玉寿司4代目の中野里陽平社長も登壇した。今作で、第3作で渡辺が演じた役の若手時代を演じた武田は「渡辺さんもきっとお空で見守ってくださっていると思いますので『何だこれは』と言われないようにしっかりと演じきりたいと思います。よろしくお願いします」とあいさつした。