巨人・中田翔内野手(33)が大仕事だ。14日の中日戦(東京ドーム)で逆転の4号満塁本塁打をぶっ放した。

 まるで優勝を決めたかのような沸騰ぶりだった。序盤からリードを広げられ、2―5で迎えた7回だ。2点差まで追い上げ、なおも一死二、三塁。前を打つ4番・岡本和が2ボールから申告敬遠で歩かされ、満塁で「中田勝負」を選択された。

 中田はここまで空振り三振、見逃し三振、二飛でいいところなし。期するものがあったに違いない。そして相手3番手・祖父江がカウント1―1から投じた3球目。甘く入ったスライダーをぶっ叩くと、打球は割れんばかりの大歓声のなか左中間スタンドに突き刺さった。

 今季2発目となる満塁弾。二軍再調整の屈辱をあじわうなど順風満帆ではなかったが、豪快な一発で〝帳消し〟に。ダイヤモンドを悠然と一周し「よっしゃー!」とホームベースを踏んだ中田は、待ち受けたナインとジャンプしながらド派手に喜びを分かちあった。

 スタンドをオレンジ色に染めたG党が大興奮となったのはもちろん、ベンチのナインたちも鳥肌ものので「ヤバい、ヤバい」と連呼。やはりこの男の破壊力は半端ではない。