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石橋静河、三谷幸喜が描く静御前は「ちょっと男っぽい感じ」

静御前、初登場の第17回
静御前、初登場の第17回 - (C)NHK

 三谷幸喜脚本、小栗旬主演の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK総合ほか)に静御前を演じるダンサー、女優の石橋静河。5月14日に義経伝説が残る青森県青森市で行われたトークショーで、撮影の裏側を明かした。

里VS静御前の修羅場も…第19回場面写真

 本作は鎌倉時代を舞台に、野心とは無縁だった伊豆の若武者・北条義時(小栗)が鎌倉幕府初代将軍・源頼朝(大泉洋)にすべてを学び、武士の世を盤石にした二代執権に上り詰めていく軌跡を追う物語。静御前は第17回「助命と宿命」で初登場。都髄一の白拍子で、彼女の舞を観た源義経(菅田将暉)はたちまち心奪われた。

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 大河初出演で大役を担うことになった石橋は「静御前役と言われて『何の冗談だろう?』と。名前も同じだし、どういうことかなとすごくびっくりしました。静御前は伝説の人で、日本各地に伝説が残ってるので、なかなか最初、実感が湧くまで時間が掛かって、その後に『伝説の人をやるのか』ということですごいプレッシャーが襲ってきました」と決定時のプレッシャーを明かす。

 三谷が描いた静御前は「ちょっと男っぽい感じ」と話し、以下のように語っている。「川釣りをしながら『御曹司さん、全然釣れへーん!』なんてセリフもあって、本当に台本にそう書いてあるし(笑)。今回の全体的な作風も、ちょっとシュールな笑いがあったり、ブラックユーモアなんかも多かったりするじゃないですか。そういう中で今回、三谷さんが描こうしている静御前も、幻想・伝説の、みんなのイメージが出来上がってる静っていうよりも、ちょっと斜めから切り込むような、ちょっと男っぽい感じなんです。衣装もはかまでスタスタ歩けるし。義経がほかの男性たちと宴をしてる時も、隣で一緒にそこに参加していますよね。それは私も意外で、もっと一歩引いて、本当に“義経一筋”っていう人なのかなと思ったら、それはそうなんだけど、もっと一人の人としてそこにいる場所があるというか。そこにいる存在感のある人なんだなっていうのが今回の脚本を読んで意外だったところですね」

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 石橋いわく、白拍子の振り付け、衣装、歌などの記録は書物に残されておらず、本作では所作指導と共に作っていった部分があるという。また、白拍子の即興で歌と舞を作り上げる性質をふまえ、静御前の並外れた才能を実感したようだ。「白拍子って即興で歌いながら、即興で舞いながら、っていうことをする人なんですよ。フリースタイルというか。その場の空気とか、そこにいる人とかから、瞬時にどんなことを歌おうか、というのを考えてやらなきゃいけない。すごいハイレベルなことで、もともとある“型”をやるというのとはまったく別のことだと思うんですけど、それをいろんな殿様方の前でできてしまう静御前は相当頭がいいと思ったんです。かたや義経は戦の神のような人で、かたや静は踊りということで、全然違うけど、同じぐらいのエネルギーというか。すごく感覚的じゃないですか、義経も。そういう大胆な部分とかが似ていたんじゃないかと私は思います」

トークショーにて石橋静河

 初登場シーンの舞で練習できたのはわずか2日間。長袴の着こなしにも苦労したと話す。「長袴もはいたことがなくて、歩きづらくて。中ははだしで、足が隠れてすそが後ろに長く流れるんですけど、そのさばき型もあるんですよ。美しく、立ったときに八の字に広がっているのが一番きれいな形で、回ったりした時にも踏んじゃいけない。舞なので、舞はもともと回るから『舞い』という言葉ができたらしいので、けっこう回るんですけど、そのたびに踏みそうになって、慣れないと本当に難しくて。それは大変でした。最初これどうやって歩けばいいんだろうっていう感じで、最初は『うわ、どうしよう』ってなったんですけど、所作の先生が『ただの布じゃなくて自分の足だと思いなさい』と教えてくださって、ちょっとずつそれに慣れていきました」

 「ただ自分が、石橋静河として踊るのと、静御前っていう役を通して踊るのは全然感覚が違うので、すごく幸せな時間でしたね」と振り返る石橋。22日放送の第20回「帰ってきた義経」では、過酷な運命に翻弄されながらも凛として立ち向かうように舞う静御前の姿が描かれる。(編集部・石井百合子)

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