テニスの4大大会・全仏オープン2日目(23日、フランス・パリ)、女子シングルス1回戦で世界ランキング38位の大坂なおみ(24)は同28位アマンダ・アニシモバ(20=米国)に5―7、4―6のストレート負け。無念の初戦敗退となった。

 アニシモバは1月の全豪オープン3回戦で敗れ、連覇を阻まれた因縁の相手。サーフェスは苦手とされるクレー(赤土)コートだ。前哨戦のイタリア国際(ローマ)は左アキレス腱痛で棄権しており、試合前から体調面の不安も募っていたが、この日はファーストサーブが決まらず苦しい展開。テーピングをぐるぐる巻きした左足首を気にするしぐさも目立った。

 昨年大会では「うつ」告白で途中棄権した全仏でリベンジならず。長年にわたり大坂をみてきたDAZNテニス中継の解説者・佐藤武文氏は、この日の大坂のプレーについて「サーブを打った後、得意のフォアの体勢に入れていなかった。苦手なクレーでもそれができないと、世界ナンバーワンにはならないと思います」と指摘する。

 さらに世界ランク1位復帰へ向けての課題を提示する。「アニシモバには前回(1月の全豪)、得意のハードコートで負けています。大坂選手が世界ナンバーワンになる立場であることを前提で言うと、クレーだから仕方ないとは思ってほしくない。このままでは厳しい。クレーだろうと、ハードだろうと、グラウンドストローク(ベースラインでのプレー)では勝たないといけない。今日の敗戦を受け止め、今後はストロークの再構築が必要だと思います」

 もちろん、今回の初戦敗退を糧にしなければならない。佐藤氏は「ツアーはまだ続きます。ここで負けているようでは世界ナンバーワンにはなれません。大切なのは、大坂選手の旅はまだ続くということ。目の前の勝ち、負けだけで人生は語れません。今日は負けではなく、学びです。この敗戦で明らかになりましたが、やはり大坂選手はストロークで優位に立たないといけないということです」と語った。