国際政治学者の三浦瑠麗氏が24日、「めざまし8」(フジテレビ系)に出演し、来日中の米バイデン大統領と岸田文雄首相の日米首脳会談の共同声明について解説した。

 共同声明では「ロシアに残虐行為の責任を求める」「日本の国連安保理常任理事国入り支持」「日米同盟の抑止力・対処力強化」「台湾海峡の平和と安定の重要性確認」「北朝鮮の核・ミサイル開発を非難」「IPEF(インド太平洋地域の新たな経済枠組み)を支持」が盛り込まれた。

 三浦氏は「歴史を振り返ると、1991年に起きた湾岸戦争の時に日本がATMと揶揄とされて、お金だけたくさん支払わされたにもかかわらず、日米間に亀裂が入り、軽んじられた。このトラウマで安全保障や外交関係者は日米関係を進化させたり、国際貢献を日本がするんだと積み上げてきた。安倍政権期間中の日米の会談ではおもてなしだとかと揶揄されたり、日本の報道を振り返っても、日本が米国にすり寄っているんだというバッシングがあった」と分析。

 バイデン氏が台湾が有事となった場合、軍事関与すると明言し、それを米ホワイトハウスが否定し、騒動となっていることには「バイデンさんが台湾海峡危機において中国が侵攻した場合には軍事的にコミットメントするんだという、従来の立場とは違うところまで踏み込んじゃった。これは非常に問題だねと。米ホワイトハウスはバイデンさんの発言を修正しています。別に方針に変わりはないよと。いろいろ見てみると、バイデンさんは個人的正義感で本音をポロっと言ってしまうようないいおじさんのところがあって、実際に米国が台湾に軍事関与できるかは不明で、今まで通りの〝あいまい戦略〟。ロシアの侵攻を受けて、もうちょっと固い決意を日米で示しておかなきゃいけないという雰囲気の問題と理解してもらえればいいと思う」と指摘した。

 日本の防衛費が過去最高の約5兆4000億円+補正予算となることについても三浦氏は「防衛費の増大は欧州も日本もこの流れは止まらない。それだけじゃなくて、具体的な有事対応で相当日本も考えていかなきゃいけないわけです。米軍を後方支援すると、我々も中国との敵対関係に入っていくことになるので、相当な議論、覚悟が必要な問題。正直、アイスクリームよりもこっちの方が大事ですね」と話した。

 アイスクリーム好きのバイデン氏には23日の夕食会で宮城・名取市のジェラートが振る舞われた。東日本大震災後の2011年、副大統領だったバイデン氏が同市を訪問していた。