演歌歌手中村美律子(65)が20日、東京・新宿文化センターでデビュー30周年記念コンサート「歌う門には福来る」の昼公演を行った。

 2時間以上をかけて、86年のデビュー曲「恋の肥後つばき」など18曲を披露。前半の最後には、7月発売の長編歌謡浪曲「無法松の恋」を初披露した。

 「無法松」こと富島松五郎と、夫を亡くした吉岡夫人と長男敏雄との物語「無法松の一生」は、映画やドラマ、浪曲などに何度もなっている名作。それを松五郎が主人公の男目線ではなく、女性の吉岡夫人の立場から見た物語に仕立てた。

 CDは21分13秒だが、前後に新たな演出などを加えて22分10秒のライブバージョンにした。歌唱だと4、5曲に相当する長丁場だが、モニターやテロップは一切使わず、歌唱後には約1800人から大きな拍手を浴びた。

 30周年については「あっという間。30年が束になって、ビュンと通りすぎたようだ」と振り返った。

 同年代のファンには「人生は65歳を過ぎたら、キョウヨウとキョウイクが大切。今日の用事の『今日用』と、今日どこかに行く『今日行く』。家にじっとしていたらアカン」と、家に閉じこもらないように訴えた。そして「私の歌を聞いたら元気になるでしょう。今日はスキップをして家に帰って」と笑顔で呼び掛けた。

 7月25日から大阪・新歌舞伎座で30周年記念公演を行うことも決まっている。