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陳内将、戸谷公人、遠藤舞が語る方南ぐみ『片想い』
2016年01月21日 17時00分 [演劇]
左から、戸谷公人、陳内将、遠藤舞  撮影:石阪大輔
左から、戸谷公人、陳内将、遠藤舞  撮影:石阪大輔

樫田正剛率いる劇団方南ぐみの企画公演『片想い』が、2月に俳優座劇場にて上演される。

方南ぐみ企画公演『片想い』チケット情報

本作は、太平洋戦争下に閉園した名古屋の動物園が舞台。「猛獣処分」の名のもとに動物の殺処分が次々と進められている中で、軍の命令を一度は聞いたものの、それ以降はのらりくわりとかわしている動物園に、陸軍大尉が派遣されるところから物語が始まる。

今回、主演であり動物園に派遣された陸軍大尉を演じる陳内将、耳の聞こえない恋人がいる若く純粋な動物園飼育員を演じる戸谷公人、動物園に避難してきた癖のある音楽教師を演じる遠藤舞に話を聞いた。

稽古は、「13時から21時、ほとんど休憩もなく稽古をしています」(陳内)、「休憩はあるんですけど、その間に役者同士で話し合いを進めるので結局休んでないっていう(笑)」(遠藤)と大変そうだが楽し気な面々。キャスト10人中6人が方南ぐみ初参加と言うが、「初な感じがなぜかしない。若いチームでご飯に行ったりしてます」(戸谷)と笑顔。

樫田の演出について、「ここは絶対っていう部分はすごくこだわるし、でも、泳がせてくれる部分もあるので、自分で攻められるところは攻めてます。こっちが(アイデアを)出せば出すほどよくなっていくのかなって思います」(陳内)、「映像芝居と舞台芝居のちょうど中間くらいを求められることが多くて。舞台ではこう、という(自分の中の)概念をいい意味で覆されました」(戸谷)。舞台経験の少ない遠藤が「日々勉強の連続。今はついていくのに必死です」と話すと、陳内は「全員レベルが高いから、経験のない人だったらテンパるはず。よく立ち向かってるなって思う」と励ました。

遠藤「昨年で終戦70年。風化させちゃいけない出来事だと思うし、そう思うと演じる気持ちもまた変わってきます。心が和むシーンもたくさんありますので、楽しんでいただけたら」。

戸谷「若いチームで引っ張っていけるカンパニーだと思うので、引っ張りたいですね。そうやってみんなで作り上げて、たくさんの人に観ていただける作品にしたいです」

陳内「戦争ものは『生きる』とか『死にに行く』っていう自分ベクトルの作品が多いと思うんですけど、この作品は自分以外のなにかを『生かしたい』っていう想いを持った人の方が多くて。他のもののために生きる姿のはかなさとか強さとかが詰まった作品だと思うので、楽しみにしていてください。あと、昨日言えって言われたので……(園長役の)岡森諦さんがすごくいい人です(笑)」

方南ぐみ企画公演『片想い』は、2月3日(水)から7日(日)まで東京・俳優座劇場にて上演。チケット発売中。

取材・文:中川實穗

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