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“総重量・約500s”の重量級クラシック・ボーカル・グループIL DEVU(イル・デーヴ)。見ているだけで安心と温もりを感じさせる面々だが、テノールの望月哲也と大槻孝志、バリトンの青山貴、バス・バリトンの山下浩司、そしてピアニストの河原忠之というメンバーは、いずれもオペラ界の第一線で活躍中だ。そんな彼らが、JOCオリンピック教室校外編『IL DEVU&オリンピアン−スポーツと音楽の祭典−』に出演決定!『見上げてごらん夜の星を』『栄光の架け橋』など、親しみやすい歌を温かいハーモニーで披露しつつ、伊藤華英(水泳)、大山加奈(バレーボール)、小塚崇彦(フィギュアスケート)、高平慎士(陸上競技)らのトークもまじえて贈る。
JOCオリンピック教室はオリンピアンが講師役を務め、自分の経験やオリンピックの価値を伝えつつ、“出場することが全てではなく、目標や夢に向かって諦めずに努力する過程の大切さ”を伝える。オリンピック・ムーブメント事業として中学2年生を対象に展開されているが、今回は誰でも観覧できるスペシャルな「校外編」。さらに、音楽とのコラボレーションはこれが初めてなのだとか。「どんなステージになるかまだ分からないですが、オリンピアンの方々と話す機会はめったにないですし、とにかくワクワクしています」というのは山下だ。望月も、「国内外で試合に挑み続けるアスリートの方たちと、ヨーロッパの舞台で研鑽を積んできた僕らと。ジャンルは違えど、ひとつひとつの試合・舞台にかける想いの深さは似ていると思うので、そこからなにかお話ができれば」と、期待を寄せる。
「まぁ、私たちは“いい音を出すためには食べなきゃ!”と言って、食事を美味しくいただいているので、ハードな節制をされているオリンピアンと同じというのはおこがましいんですけども…… (笑)」と茶目っけたっぷりに言うのは河原だ。「それでもフィギュアスケートなど芸術点のある種目では、思い入れをもって見てしまいます」と率直な感想を。また「フィギュアといえば、数年前から歌詞入りの曲が使えるようになりましたよね」と話すのは青山だ。「曲だけの場合と歌がある場合と、ジャンプや演技にどんな影響があるのか、ぜひ小塚さんに聞いてみたい」と、アーティストならではの視点で語ってくれた。
一方、「長野オリンピックの開会式で、5大陸同時の第九を合唱したんです」という貴重な思い出をもつ大槻。「僕は小澤征爾さんが指揮されていた長野県民文化会館にいたので、とても印象深くて。東京オリンピックでもそんな機会があれば、ぜひ参加したいですね」と目を輝かせた。ほかにも、「ひと通りできることは当たり前で、さらに角度やタイミングなど細かいところを毎日の練習で突き詰めていくところが、アスリートとアーティストは似ているのかも」(山下)、「スポーツと音楽だけが、政治や思想を超えて世界の国々をつなげられるんじゃないかな」(河原)など、音楽のプロフェッショナルらしい意見が続々と。両ジャンルの貴重なセッションが見られる本ステージ。その本番が、今から楽しみだ。
取材・文/佐藤さくら
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