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『銀色のシーズン』で監督が描いた“あきらめる”という現実
2008年01月17日 12時30分 [邦画]
写真・筧みゆき

大ヒットを記録した『LIMIT OF LOVE 海猿』の羽住英一郎監督がオリジナル脚本でチャレンジする、雪山を舞台にした若者たちの群像劇『銀色のシーズン』。スリリングなスキー・パフォーマンスや雪山ならではアクションを盛り込みつつ、そこで繰り広げられる人間模様は今までのドラマや映画の常識とは大きく異なる、リアルな関係だ。羽住監督はぴあが行ったインタビューで、「映画の主人公だってあきらめることだってある」と語った。

「『あきらめるな』と励ますのではなく、『お前が決めたのならそれもありじゃん』と言えるような、お互いそこまで踏み込まない実在するような人間関係を描きたかったんです」。登場人物は傷を抱え苦しんでいるが、それに対して誰かが救ったりするという通常の映画で最も盛り上がりに使われるシーンは登場しない。羽住監督が目指したのはもっとリアルで、現実の世界で苦しんでいる我々に勇気を与えてくれる物語だ。「映画の主人公だってあきらめることだってあると思う。大成功を収めてハッピーエンドで終わるという物語だけではなくて、ハッピーエンドに向かって針が動き始めるというところで終わる物語だってあっていいと思うんです」。

そんな本作のテーマは、「限界を決めるな!」。「子供のとき“ブランコでどれだけ遠くに飛べるか”なんてくだらないことをやっていたでしょ? でも大人になったら失敗したり、痛い思いをしたりするのは嫌だから挑戦しなくなって、自分のレベルを勝手に決めてしまう。例えば途中で物事をあきらめてしまったとしても、それを肯定した上で、でもちょっとだけ前を見て一歩だけ踏み出すことが大事だよと伝えたい」。

真っ白な雪原が必須となる作品にも関わらず、撮影中は異常気象による雪不足で毎日の撮影が過酷なものとなった。それでもスタッフによる連日の努力により画から映し出されるのは、見事に澄み切った青い空と雪山の稜線である。その素晴らしい“銀色”の中で、「過去」に傷つきながらもゆっくりと前に進もうとする人々が描かれる。舞台は大海原から大雪原に変わるが、『銀色のシーズン』はハラハラドキドキして、観客の感情をダイレクトに揺さぶるエンタテインメントに仕上がっている。

『銀色のシーズン』
2008年1月12日(土)全国ロードショー

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