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2月17日に閉幕となったベルリン映画祭にて、『母べえ』が上映された同日、パノラマ・スペシャル部門に出品されたマドンナの初監督作『Filth and Wisdom』(原題)が世界初公開された。
ロンドンでルームシェアする3人の男女、ウクライナ移民のAK(ユージーン・ハッツ)、バレリーナを目指すホリー(ホリー・ウェストン)、薬局で働くジュリエット(ヴィッキー・マクルーア)の人生に訪れる、“堕落と知恵”の日々。ゴダールやヴィスコンティをお気に入りの監督として挙げるマドンナは、本作で監督、脚本とプロデューサーも務めている。タイトルについて「人生の二面性を描きたかった。そして人生とは、その二面性と闘うことであると考えました。一見真逆のように見えるふたつのことから、啓蒙を受けることができるんじゃないかというのがテーマであり、タイトルになりました」と説明した。
主演のAKを演じたユージーン・ハッツはウクライナ出身のミュージシャンで、『僕の大事なコレクション』(05年)でイライジャ・ウッドとも共演している。『Filth and Wisdom』はマドンナが彼を気に入ったところから始まり、「ストーカーのようにユージーンを追い回した」(マドンナ)上で出演が成立したそう。彼のバンド、ゴーゴリ・ボルデーロ(Gogol Bordello)の音楽も全面的にフィーチャーされ、そのほかにもブリトニー・スピアーズやマドンナ自身の楽曲も使われている。これに関しては、「高い楽曲使用料をふっかけられないように、よく知っているミュージシャンの曲を借りたのよ。ブリトニーもそのひとりでとても協力的だった。もちろん、私自身も高額な金額を要求したりはしないから(笑)」と、常にウィットに富んだ解答を導き出し記者会見に集まった世界中のジャーナリストを楽しませた。
現在、この作品には配給会社がついていないが、「慣習的な公開はしたくない」というマドンナの意向を尊重し、インターネットなどで配信される可能性もあると言う。さらには、アフリカのマラウイについてのドキュメンタリー『I Am Because We Are』(原題・ネイサン・リスマン監督)を、5月に開催されるトライベッカ映画祭とカンヌ映画祭へ出品することを明らかにした。
現在はビッグ・バジェット映画の脚本を執筆中とのことで、今年8月に50歳の誕生日を迎えるマドンナは、“映画監督”という新しい世界へ輝かしい第一歩を踏み出した。
取材・文:平井伊都子
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