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今月17日に閉幕したベルリン映画祭で、日本から唯一コンペティション部門参加となった『母べえ』。上映は現地時間13日午後行われ、満員の観客の前で山田洋次監督、主演の吉永小百合、浅野忠信、原作者の野上照代が挨拶、ベルリン市民に披露された。
山田監督は『たそがれ清兵衛』(2002)、『隠し剣 鬼の爪』(2004)と3作品連続でベルリン映画祭コンペティション部門に参加している。また、吉永小百合は『夢の女』(1993)以来のベルリン映画祭出席となった。
公式上映後の舞台挨拶において、吉永は「ベルリン映画祭を15年ぶりに訪れることができてとても嬉しいです。山田洋次監督は『母べえ』を通して、わたしたち俳優、スタッフの心をひとつにしてくれました。この映画をみなさんに観ていただけてとても幸せに思います」と流暢なドイツ語で挨拶。続いて、黒澤明監督作品のスクリプターを長年務め、いつも気丈な野上さんが「ドイツ文学者だった父が憧れ続けたドイツに来ていると思うと……」と言いかけて声を詰まらせたとき、会場を埋め尽くした大勢の観客がもらい泣き、そして大きな拍手が贈られた。
映画祭では残念ながら賞を逃したものの、『母べえ』の現地での評判は上々。「わたしたちは歴史を通じて学ばなくては行けないときに来ている」という山田監督の思いが、ドイツの観客にもしっかりと通じていたようだ。海外のプレスからも「ドラマとユーモアのバランスが秀逸。厳しい物語を重くならすぎずに観せる山田監督の演出力に感服した」という声が聞かれた。また、てきぱきと記者会見を切り盛りしていた吉永小百合の変わらぬ若々しさと美しさにも話題が集中。若い監督の作品が目立ったコンペティション部門において、日本映画界の重鎮の底力を見せられるような上映となった。
撮影:若山和子
取材・文:平井伊都子
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