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2月7日より11日間にわたって開催されていた第58回ベルリン映画祭の各賞授賞式が現地時間16日行われた。最高賞である金熊賞にはブラジルのホセ・パディーヤ監督による『Tropa de Elite(英題The Elite Squad)』が選出された。パディーヤ監督は2005年に公開された『BUS174』などで「次世代のブラジル人監督」として注目されていた逸材。『Tropa de Elite』は前作同様リオ・デ・ジャネイロのスラム街の抗争を描いたハードな作品だ。
また、アカデミー賞にもノミネートされている『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のポール・トーマス・アンダーソン監督は最優秀監督賞、音楽を担当したレディオヘッドのジョニー・グリーンウッドが芸術貢献賞を授賞している。西部劇に現代的な旋律を合わせたグリーンウッドの独創的な音楽に関しては記者会見でも多くの質問が出ており、順等な授賞と言えるだろう。
また、映画祭においても、日本の映画ファンにとっても最も驚きの結果となったのは最優秀新人作品賞。2年前から新設された賞で、第一回監督作品に与えられるカンヌ映画祭で言うところのカメラドール賞のようなもの。この賞に選ばれたのは、32歳の新鋭・熊坂出監督。フォーラム部門に出品された『パークアンドラブホテル』が評価され、審査員満場一致での授賞となった。熊坂監督は2005年の第27回ぴあフィルムフェスティバルに出品された『珈琲とミルク』で審査員特別賞、企画賞、クリエイティブ賞の3タイトルを受賞。『パークアンドラブホテル』はPFFのスカラシップ作品として制作された。まったく予期していないサプライズ授賞であったためか、熊坂監督はジーンズ姿のままベルリナーレ・パラストで行われた授賞式に登壇、「またベルリンに戻ってきたい」と今後の制作活動への意欲を見せた。
そのほかの主要賞授賞結果は以下の通り
金熊賞 『Tropa de Elite』(原題)ホセ・パディーヤ監督
銀熊賞
●審査員グランプリ『Standard Operating Procedure (S.O.P.)』(原題)エロール・モリス監督
●監督賞『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』ポール・トーマス・アンダーソン
●女優賞『Happy Go Lucky』(原題)サリー・ホーキンス
●男優賞『The Song of the Sparrows』 (英題)レザ・ナジエ
●芸術貢献賞『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』ジョニー・グリーンウッド
●アルフレッド・バウアー賞『Lake Tahoe』(原題)フェルナンド・エインビッケ
『パークアンドラブホテル』GW、渋谷ユーロスペースにて公開予定
◆作品詳細 (PCのみ)
取材・文:平井伊都子
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