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最強のパートナー、ソムン・タクを迎え、山本ヘドウィグが再臨! (08.04.04)
2008年04月04日 18時03分 [ミュージカル・ショー]
『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』公開稽古

※2008年公演レポート※

4月4日(金)、山本耕史版『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の幕が、再び開かれる。初演からわずか1年あまり。前日に行われた公開稽古で、この短い期間に大きな成長を遂げた山本ヘドウィグに遭遇した。

オフ・ブロードウェイで人気を博し映画化もされた本作。東ドイツに生まれ、性転換手術を受けアメリカに亡命したロックシンガーの波乱の半生を描くこの物語は、日本では2004年、2005年に三上博史主演で上演され、高い評価を得た。そして2007年、山本版の初演。鈴木勝秀の演出によって生まれた山本版『ヘドウィグ』は、山本のドラァグ・クイーンぶり、全編英語詞で歌われる構成などに注目が集まり、賛否入りまじり大きな話題となった。

そんな注目作の再演。山本は、まさにヘドウィグそのものとして舞台上にいた。初演と大きく違うのは、その表情だ。強気な中にふと見せる微笑み、すねたように口を尖らせるしぐさ。そのどれもがかわいらしく、愛しい。それはまさに、どぎついメイクに巨大なウィッグという派手なビジュアルの内に秘めた、ヘドウィグの本質。この、切なくも強烈なラブストーリーにあるべきヘドウィグの姿だ。

最高のラブストーリーであるのと同様に、本作は最高のロック・ミュージカルでもある。最初のナンバーは「TEAR ME DOWN」。アメリカ国旗を思わせる毛皮を身にまとい堂々と登場するヘドウィグ。アメリカはかつて、彼女の希望の象徴だった。だがそんな毛皮を早々に脱ぎ捨て、“私を引き倒してみてよ”と歌い上げる。そんな彼女のパワーにロック全開のナンバーが拍車をかけ、一気に会場をヘドウィグの世界へと引き込んでいくのだ。そして彼女の“カタワレ”捜しのきっかけとなる「THE ORIGIN OF LOVE」、性転換手術に失敗し股間に残った“1インチ”への怒りを爆発させる「THE ANGRY INCH」へ。彼女の愛や悲しみの起源が、これらの楽曲からはっきりと浮かび上がる。

今回、初めて山本とコンビを組むソムン・タクが演じるイツァークも素晴らしい。韓国版『ヘドウィグ〜』で過去3度、同役を演じている彼女は、今回の日本版でも圧倒的な歌唱力で抜群の存在感を発揮している。その歌声は高く、低く、伸びやかに響き、まるで小さな身体そのものがスピーカーであるよう。特にラストの「MIDNIGHT RADIO」では、すべてをさらけ出したヘドウィグと本当の姿を取り戻したイツァーク、ふたりの強さがそのまま歌声となり、心にズシリと響く珠玉のナンバーとなった。

“ヘドヘッド"と呼ばれる熱狂的な作品ファンをも納得させる力をもった、山本『ヘドウィグ〜』再演版。一見の価値アリだ。

5月6日(火・祝)まで新宿FACEにて公演。その後大阪、仙台、札幌、名古屋、神戸公演を経て、東京凱旋公演となる6月14日(土)・15日(日)の東京厚生年金会館大ホールの「ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ〜ツアーファイナル〜」まで続く。

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