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若手脚本家の発掘と、日本映像文化の発展を目的に創設された「第1回WOWOWシナリオ大賞」の受賞作が4月3日に発表された。応募総数582編の中から最高賞となる大賞に選ばれたのは杉山嘉一の『GO APE』。田黒睦の『あの頃、柔道(やわら)して』と鴻池康久の『サラブレット』が優秀賞に輝いた。大賞で500万円の賞金を手にした杉山は「細々と監督や脚本の仕事を続けてきたが、誰もみてくれていないんじゃないかと思っていた。今回の受賞は“そんなことないよ”と優しく肩を叩かれた気分。支え続けてくれた妻に感謝します」と喜びを語った。一方、選考委員長を務めた映画監督の崔洋一は「582編も作品が集まったのは選考委員にとってうれしい悲鳴だった。最終選考に残った作品は精度も高く、時代性とのせめぎ合いもあり、選考は激論になった」とハイレベルな選考であったことを総評で語った。
ハイクオリティのドラマ制作をモットーにするWOWOWがさらなるコンテンツ開発を目指して立ち上げ、プロ・アマ問わず広く応募のかけられた「WOWOWシナリオ大賞」。その記念すべき第1回の栄冠は1970年生まれの新鋭、杉山嘉一が手にした。すでに彼は映画監督、脚本家として活躍中。受賞作について選考委員長を務めた崔洋一は「スタンリー・キューブリックが生まれるかもしれないという期待を抱かせる、創造性と時代を切り裂く出来だった」と高評価を口にした。今年中にドラマ化されることが決定しているが、ここに話が及ぶと杉山は「僕も細々と監督をやっているので、なんとか私のような者に撮らしてみたりしていただけないでしょうかね」と主催者に猛アピール。すると選考委員長の崔洋一監督に「杉山くん、もし僕が監督やるっていったらどうする?」と突っ込まれ、恐縮していた。
なお、この日は第2回WOWOWシナリオ大賞の募集要項も発表された。選考委員長は第1回に引き続き崔洋一監督に決定。崔監督は「映像、映画というものがこの世界でわれわれにとって必要不可欠であるという観点に立って選考にあたりたい。私は日本の若い作家たちは世界に誇れる才能を持っていると思っている。そこにプラス世界でしっかりと評価されるものを感じさせる作品の出現を望む」と次回に期待を寄せた。近い将来、この賞をきっかけに新たな映像作家が誕生するかもしれない。
(取材・文・撮影 水上賢治)
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