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それまでにない新しい演劇として、歌舞伎に対し誕生した“新派”。創始120年にあたる今年、記念公演の一つとして「六月新派公演」が上演される。その製作発表が4月28日都内で行われ、新派を代表する2人の女優、水谷八重子と波乃久里子、歌舞伎界から市川團十郎と片岡仁左衛門、そして、新派への出演は初となる西郷輝彦の5名が出席した。
上演演目は、学者と元芸者の悲恋を描いた泉鏡花の「婦系図」と、社交界の愛憎模様を描いた三島由紀夫の「鹿鳴館」の2作。水谷は「名作2本が並び、不安に押し潰されそうな思いです。でもこんなに素晴らしい助っ人の皆さまがいらっしゃると思うと、か細いながら勇気が沸いてきます」と、男性陣3人に熱い視線を投げる。その言葉通り「婦系図」の早瀬主税役も、「鹿鳴館」の影山伯爵役も、仁左衛門、團十郎がそれぞれ過去に演じ、光る名演を見せた役柄。主税の妻・お蔦役を演じる波乃も、「仁左衛門さんの胸をお貸しいただき、心から愛され、愛する、素晴らしい夫婦を演じたい」と、絶対的な信頼を寄せる。また「鹿鳴館」で水谷演じる影山朝子の元恋人・清原永之輔役を任された西郷輝彦は、水谷の強いラブコールから今回の参加が決まったと言う。
新派の長い歴史について、「120年という響きに、ゾゾゾッと鳥肌が立つような思いです。でもこれを一つの切り口にせず、新たなスタートにしたい」と語る水谷。波乃も、「これが新派の新しい誕生。私たちの代で、新派を終わらせるわけにはいきません!」と続く。初参加の西郷は「120年の一翼を少しでも担えれば」とコメント。また「大切な公演にお招きいただき、本当に身の引き締まる思い」と、仁左衛門が緊張した面持ちで答えるなか、團十郎は「新派120年。本当に身内のことのように嬉しく思っております。ちなみに私は、十二代目でございますけど(笑)」と、笑いを誘う場面も見られた。
新橋演舞場六月新派公演は、6月6日(金)から29日(日)まで、東京・新橋演舞場にて行われる。
取材・文:野上瑠美子
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