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貧困ゆえに暴走する若者の求めるものとは。 ブラジルの社会派映画の監督が語る
2008年05月29日 12時33分 [洋画]
来日したパウロ・モレッリ監督

ブラジルの大都市に存在する“ファベーラ”と呼ばれる貧民街区でに暮らす若者たちの生活を描き、世界的に高い評価を得たフェルナンド・メイレレス監督の『シティ・オブ・ゴッド』。その姉妹編とも呼べる新作『シティ・オブ・メン』の日本公開に先立ち、パウロ・モレッリ監督による来日記者会見がブラジル大使館で行われた。

不法移民が住み着きスラム化しているファベーラは、麻薬や暴力が蔓延し、犯罪が多発する危険地域。そんな殺伐とした環境の中に生きる2人の少年の友情と対立を通して、そこで暮らす人々の姿を描く。

撮影はリオデジャネイロのファベーラで行われ、主要キャストもファベーラで生まれ育った少年たちを起用。演出においては脚本を渡さず、リハーサルの中で俳優たちとともにセリフを練り上げていったという。「シーンの説明をしながら、(ファベーラ出身の)彼らが実際に使うスラングやボディランゲージを出してもらい、自分自身の言葉で自然に話したことがセリフになるように編集していくような感じだった。だからこそ、現実味のある映像に仕上がったのだと思う」と撮影を振り返った監督。ファベーラに住む若者たちが非行に走り、ギャングに参加していく最も大きな原因のひとつとして父親不在の環境を挙げ、「“父性”は本作の大きなテーマのひとつ。これは成長の物語であり、友情の物語であり、そして父親の生誕の物語ともいえる」と作品の意義を解説し、「『シティ・オブ・ゴッド』には希望が無かったかもしれないが、『シティ・オブ・メン』は、最後に光明が見えるものになっていると思う」と、映画に込めた思いを語った。

ブラジル社会の暗部を見据え、悲惨な状況の中にも見いだせる希望の存在を描いた本作。暴力と犯罪にまみれた世界の中で、それでも生き抜こうとする若者たちがたどり着くラストシーンを、ぜひ劇場で見届けてほしい。

『シティ・オブ・メン』
8月、渋谷シネ・アミューズほか全国ロードショー

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