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マドンナ、アンジーらスターのパワーに彩られた12日間【カンヌ映画祭 総評】
2008年05月29日 17時40分 [映画祭]
パルムドールに輝いた『Entre〜』のローラン・カンテ監督と出演者たち (c) Jean-Louis TORNATO

5月14日の映画祭初日には大勢の人がカンヌの街を闊歩していたのに、後半のマーケット終了後は人が減りはじめ、最終日には人気が全くなくなってしまった。今年のカンヌ映画祭は天気に恵まれず、ほぼ毎日のように雨が降り肌寒い日が続いた。それを反映するかのように、コンペティション部門も圧倒的な強さを持つ作品がなかなか出てこなかった。

22作品のコンペティション部門参加作品のうち最後に上映された『Entre Les Murs(The Class)』(原題、ローラン・カンテ監督)は、パリ20区にある中学校を舞台にした物語。出演する生徒たちはみんなプロの役者ではなく、ドキュメンタリーのようなタッチで撮られている。ショーン・ペン率いる審査員団はこの作品を最高賞のパルムドールに選んだわけだが、なかなか晴れない天気のように決め手に欠ける作品群の最後に一筋の光を見たのかもしれない。フランス人記者は、「フランスでは今、教育問題が大きな焦点となっている。国際映画祭でそういった作品が選ばれたのは、フランスだけでなく世界的にも教育問題が語られるいい機会になるだろう」と語る。実際にフランス映画としては21年ぶりの快挙ということで、作品は好意的に受け入れられているようだ。

受賞結果が発表される前、プレスの間では「ショーン・ペンは『CHE』(原題、スティーブン・ソダーバーグ監督)を熱烈に推しているらしい」という噂が流れていた。リベラルな発言で知られるショーン・ペンをはじめ、審査員には昨年審査員特別賞を受賞した『ペルセポリス』の原作者マルジャン・サトラビや、近日監督デビューを果たすナタリー・ポートマンがいるため、政治的テーマを持った作品が受賞するのではと言われていた。結果的に『CHE』からはベニチオ・デル・トロが主演男優賞を受賞した以外は、イタリアのマフィアを描いた『GOMORRA』(原題、マッテオ・ガローネ監督)がグランプリを受賞、監督賞には煮え切らない男の生態を描いた『3 Monkeys』(原題、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督)など、『The Class』同様日常生活の中にある問題を描いたものが多く選ばれている。

映画祭を通して最も話題に上ったのは、正式にはどの部門にも出品されていないマドンナ製作のドキュメンタリー『I am Because We are』(原題)、特別上映作品である『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』のワールドプレミアや、アンジェリーナ・ジョリーの双子妊娠がジャック・ブラックによって暴露された『カンフー・パンダ』のプレミアだった。メインのコンペティション部門受賞作が新聞や雑誌のトップを飾ることはないかもしれないが、今年もまたメディアに多くの話題を提供した映画祭だったと言えるだろう。

取材・文:平井伊都子
撮影:若山和子/Jean-Louis TORNATO

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