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国際映画祭で注目の若手監督が語った“今の社会で貴重なもの”とは?
2008年05月30日 14時50分 [邦画]
トークショーを行った(左から)宮台真司氏と、熊坂出監督

2008年のベルリン映画祭で最優秀新人賞を受賞した『パーク アンド ラブホテル』を公開中のユーロスペース(東京・渋谷)で、本作を手がけた熊坂出監督と、社会学者の宮台真司氏がトークショーを行った。大学教授職、著書の執筆など多岐に渡る活動の傍ら、映画評論も行っている宮台氏と熊坂監督のトークは尽きることなく、短いながらも濃密な時間となった。

『パーク アンド ラブホテル』は、屋上に小さな公園を持つ古びたラブホテルを経営する初老の女性と、そこを訪れる女性たちの交流を描く作品。宮台氏が「ラブホテルの屋上という設定がすごくいいですよね。今は、屋上は閉鎖されていることが多いですから上がることもできないし、さらに屋上のある場所が非日常の場所ですから、民俗学的に言えばいろんなものが降りてくる場所。どうしてそういう設定を思いついたんですか?」と質問すると、熊坂監督は「ラブホテルの中で行われていることは、すごくリアルで本能的なことですよね。そういうことって今の日本社会の中で貴重なリアルさだと思うんです」と回答。“ラブホテル”という舞台と、そこにある“リアル”が本作にとって重要な役割を果たしていることを明かした。

また宮台氏が「(艶子役の)りりぃさんの顔をジっと撮っている場面があるんですが、本当にスゴい役者だなと思いました。どういう表情と言っていいかわからない。言葉にならない表情ですよね。あの場面はどうやって演出されたのでしょうか?」と質問。「最初の頃は色んなスッタモンダがあったんですけど」と、笑みを浮かべた熊坂監督が「途中から放っておいても“艶子がそこにいる”という感じでした。撮影が終わってから知ったんですけど、りりぃさんは台本を読んだときに“これは私だ”と思ったそうなんですよ。だから、特に何も言わなくてもわかってたって感じです」と言葉をつなぐと、宮台氏も観客たちも深くうなずいていた。

話が盛り上がってきたところで、無情にも予定時間が終了。壇上のふたりも、観客たちも「さらに話の続きを」というムードのまま、トークショーは終了となった。先のベルリン映画祭では、審査員から「完璧な初長編作品」と評された本作。都内での上映は6月6日(金)までとなるが、その後も大阪や群馬での上映も予定されており、今後、さらなる観客が劇場に足を運ぶことになりそうだ。

『パーク アンド ラブホテル』
ユーロスペースほか全国で公開中

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