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今年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門で、審査員特別審査員賞を受賞した黒沢清監督の最新作『トウキョウソナタ』。本作の記者会見付き完成披露試写会が6月4日に恵比寿で開催され、黒沢監督と、夫婦を演じた香川照之と小泉今日子、ふたりの息子役の小柳友と井之脇海が登壇した。
この「ある視点」部門には、若きフィルムメーカーや旬な巨匠監督による、現在と未来の時代を斬新な映像に仕上げた20本の作品が出品される。この部門で日本映画が受賞するのは初めて。監督は、この部門が賞の対象になっていたこと自体も知らなかったそうで、「知っていたらヤキモキして、落ちたらどうしようとか変なことを考えてしまっていたかもしれない。でも知らなかった分、知った時は隠されたプレゼントを渡されたような幸せな気持ちだった」と受賞の喜びを語った。一方の香川は、「事前に『ある視点』部門に賞があることを知っていたからヤキモキして、何度もメールをチェックして…(笑)」と監督とは正反対だった様子。
先日のカンヌでは、これまでに経験したことのない盛大な拍手を受けたそうで、香川は、「僕にとって最高の経験。本当に幸せな時間を過ごせた」と語り、今回の受賞を受け、「今も夢のような日が続いている」と感動覚めやらぬ様子。また、小泉は「レッドカーペットを家族全員で歩けたことだけでも大満足。でも、この映画をちゃんと伝えなきゃいけないという気持ちもあり、身の引き締まる思いです」と語った。
本作は、ごく普通に生活していたはずの家族が、いつの間にかそれぞれ秘密を持ち、ばらばらになっていく様をリアルかつ繊細に描いている。エンディングでは、家族にとってのささやかな幸せも描かれ、現代における家族のあり方を見つめなおすことのできる作品となっており、これまでの黒沢監督の作品と比べると異色作ともいえる。監督は、今回の作品で新たなジャンルへの挑戦にも手応えを感じているようで、「これまでにやったことのないジャンル、苦手なジャンルにも挑戦していきたい」と意気込みも語った。既に、日本以外に、フランス、ポルトガル、イスラエル、韓国、シンガポール、インド、スイスへと世界配給が決まっている『トウキョウソナタ』。新たな挑戦を見せる今後の黒沢監督に、日本国内だけでなく、世界中からも期待が集まりそうだ。
『トウキョウソナタ』
9月、恵比寿ガーデンシネマほかにて公開
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